2022年度 活動レポート 第4グループ:神奈川県立多摩高等学校を訪問

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第4グループ

神奈川県立多摩高等学校を訪問

 12月1日(木)、アルゼンチン、コロンビア、モルディブ、マーシャル諸島、ミクロネシア、ウズベキスタンの高校生18名、引率者12名、計30名は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている神奈川県立多摩高等学校(川崎市)を訪問し、1年生の化学や英語の授業体験、藤嶋昭 東京理科大学栄誉教授の「光触媒」に関する講演を一緒に聴くなどの交流を行いました。

 朝、到着したバスから降りてきた海外の高校生を出迎えてくれたのは、「バディ」という役目を担った多摩高生たち。バディは、海外の高校生それぞれとペアになり、多摩高で過ごす一日をサポートします。早速、ペアとなった高校生たちは、お互いに自己紹介をしながら会議室向かい、交流をスタートしました。はじめ、英語でのコミュニケーションにやや緊張ぎみだった多摩高生を、積極的に話しかけることでリードしていたのは海外の高校生たちだったようです。家族のこと、クラブ活動のこと、好きなアニメについて・・などなど、気がついてみたら、どこのグループからも楽しそうな笑い声があふれていました。

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 次に、視聴覚室にて1年生全員と対面しての「歓迎会」。司会進行をはじめ、多摩高での学校生活の紹介など、すべてを1年生の生徒が英語で行いました。

 歓迎会の後は、化学と英語の授業体験です。海外の高校生たちは、それぞれのバディが所属するクラスの授業が行われる教室に移動して、一緒に席に着きました。

 本日の化学の授業のテーマは「飲み物などを利用して電池を作ってみよう」。 コーラ、カルピス、爽健美茶、豆乳、サラダ油・・などなど、いろいろな液体をつかって、電池ができるかどうかの実験です。バディは、先生の説明を通訳して海外の高校生たちに伝える役目も担いました。まず、それぞれの液体がどんな成分でできているかなどについて、多摩高生たちが英語で発表を行いました。英語で、難しい内容をどのように説明をするか・・・、事前に皆で分担して準備を進めていたようです。さすがです!

 一通りの説明が終わると、その液体が電気を通すのかどうかを皆で予想。表にまとめたあと、実際に検流計に導線を取り付けた亜鉛版と銅板をそれぞれの液体に浸し、針がどれくらい振れるかを確かめていきました。

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 英語の授業では、各クラスで企画をした、伝言ゲーム、ビンゴ、フルーツバスケット、じゃんけん電車など、楽しいゲームで大いに盛り上がっていました。

 また、ランチの後には書道体験も行われました。

 交流の最後は、いよいよ藤嶋昭先生の講演です。海外の高校生と多摩高1年生は、視聴覚室に着席して一緒に、先生をお迎えしました。

 講演のテーマは「How to Get Clean World : Photocatalysis and Carbon Recycling」。手術室の滅菌、新幹線の空気清浄、住宅の外壁、鏡の曇り止めなどに利用されている「光触媒」の技術について、先生はスライドを用いながらやさしく説明してくださいました。講演の後の質疑応答では、「光触媒は産業にも利用できるのか?」「酸化チタンの触媒反応には何が必要か?」など、積極的に手を挙げてたくさんの質問を投げかけていました。

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 楽しく過ごした交流も、終わりの時間が近づいてきました。バディの多摩高生たちは、海外の高校生たちが帰りのバスに乗り込むところまで、見送りにきてくれました。一日を通して、はじめて出会ったとは思えないくらい仲良くなった高校生たち。最後に抱き合いながら別れを惜しむ場面が、あちこちで見られました。

 12月に入り、急に真冬が到来したかのような寒い気候ではあったのですが、心がポカポカに温まる素敵な交流になりました。

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