2022年度 活動レポート 第4グループ:東京工業大学大岡山キャンパスを訪問

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第4グループ

東京工業大学大岡山キャンパスを訪問

 11月30(水)午後、SSHP第4陣として来日中のアルゼンチン、コロンビア、モルディブ、マーシャル諸島、ミクロネシア、ウズベキスタンの6か国の高校生と引率者、総勢30名は、東京工業大学大岡山キャンパスを訪問しました。

 はじめに案内されたのはレクチャーシアター。席についただけでわくわく感が高まるような、劇場型の講義施設です。井村順一副学長の「科学の力で世界を変えるという情熱を持ちつづけてください」という、歓迎と励ましのお言葉とともにスタートしました。

 続いて行われた工藤明特命教授の講義「Medaka fish went to space」では、前方2面に設置されたスクリーンに資料や映像がダイナミックに映し出されました。工藤先生の研究グループは、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」にて2ヶ月にわたって、赤と緑に光るメダカを飼育することに成功しています。宇宙飛行士は地球に帰還した後、急激に骨量が減少することが知られているのですが、この研究から、骨を吸収する細胞(破骨細胞)が活性化することで骨を作る細胞(骨芽細胞)を壊してしまうという、骨粗鬆症の原因解明につながる結果を導き出すことができました。

 3000匹のメダカたちの中から、宇宙に連れて行く無重力状態に耐えられるメダカ24匹を選別した方法や、宇宙でのメダカの様子などの興味深い内容に、ぐいぐいと引き込まれていく高校生たち。

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 講義の最後には、「多種類の動物で骨芽細胞の活動の実験が適用される見通しはあるか」「人に適用する前にマウスを使って実験を行うことが多いが、すでにマウスでも実施されているのか」「ISSには無重力やマイクログラヴィティ以外の別のファクターが存在するのか」など、活発に質問をくりかえしていました。

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 講義の後には、広々としたキャンパスを歩いて移動し、チーズケーキという愛称で親しまれている図書館と、国際交流の拠点として2021年にオープンしたHisao & Hiroko Taki Plaza(Taki Plaza)に向かいました。どちらも、大変印象に残る開放的な建築で、短い時間ではあったのですが、ホッとできる素敵な空間を十分に感じとることができました。

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 再び、キャンパス内を散策しながら向かった訪問先は、地球生命研究所(ELSI)です。地球生命研究所(ELSI)は、地球の起源、生命の起源に関する分野について横断的に研究を推進している研究所で、構成員の約半分が海外からの研究者という、インターナショナルな環境です。高校生たちは、木の温もりを感じる素敵な講義室で、黒川宏之特任准教授の生命の起源に関する講義に目を輝かせながら耳を傾けました。

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 講義の後は、グループに分かれて東工大で学んでいる留学生たちと交流する時間。日本での生活や、留学先として日本を選んだ理由などについて積極的に質問を投げかける高校生たちに、留学生たちは大変親切に答えてくださいました。

 最後の記念撮影が終わるころ、外はすっかり暗くなっていたのですが、彼らの会話が途切れることはありません。帰りのバスが待つ場所まで歩く道すがらも留学生の皆さんとの和やかな時間が続き、最後の別れを惜しみました。

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