2022年度 活動レポート 第2グループ:東海大学付属高輪台高校で授業体験

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第2グループ

東海大学付属高輪台高校で授業体験

 来日中のカンボジア、フィリピン、ブータンの高校生と引率者、計15名は、10月20日(金)東海大学付属高輪台高校を訪れました。同校も文部科学省が指定するスーパーサイエンスハイスクール(SSH)のひとつです。

 アジアの高校生たち一行は、校長の片桐先生をはじめ、在校生、職員の皆さんに迎えられた後、日本の高校生たちと一緒に数学Bから授業体験をスタートしました。“Sum of Integral Powers”と題した授業では数列の問題が出題され、高校生たちは国籍に関係なく、お互いに協力しながら難問に挑戦しました。また先生による解き方解説について、「自分の国ではただ数式を説明してくれるだけなのに、図としてビジュアルに見せてくれたのでとてもわかりやすかった」と好評で、授業のやり方には引率者も感心しきりでした。

活動レポート写真1
協力して数学の問題に挑戦

 2時間目は物理の基礎。「紙の強度と構造の関係」を実験で検証するという内容で、3角柱、6角柱、円柱などを紙でつくり、その上に重りを載せて強度を確認します。ここでもみんな一緒になって協力しながら、手際よく実験を進めていきます。最後に先生から強度の強いハニカム構造について説明があり、実際に高輪台高校生の一人が紙製のハニカム構造の上に乗って強度を試すときには、壊れないかとハラハラしながらも大いに盛り上がりました。

活動レポート写真2
物理の実験
活動レポート写真3
ハニカム構造の強度を実験

 授業の合間には、吹奏楽部が一行を歓迎してくれました。150人もの部員がいる同校の吹奏楽部は、全日本吹奏楽コンクールで金賞をとるなど実力派ぞろい。演奏はもちろん、ダンスも加えたダイナミックなパフォーマンスに、みんな惜しみない拍手を送っていました

活動レポート写真4
吹奏楽で歓迎

 午後の授業は公共科学演習。これからの科学と公共の発展にどのようにかかわっていったら良いかを考えるワークショップです。前半はAIの機械学習モデルのワークショップで、ウェブベースで簡単にモデルを作成できるTeachable Machineというツールを使い、まずコンピュータに色々なものを画像認識させ、コンピュータが学習した後、今度は実際にコンピュータが判断できるかをテストします。身の回りのグッズやペットボトルを認識させると、コンピュータがちゃんと学んで判断するのを見て、みんな自分たちがプログラマーになったかのように得意げです。なかには髪の毛の長い人を「女性」、短い人を「男性」と画像認識させたグループでは、髪の毛の短い女子校生をコンピュータに診断させると「男性」と判断したので大笑い、という場面もありました。

活動レポート写真5
活動レポート写真6
活動レポート写真7
熱心に機械学習モデルに取りくむ

 後半は自分の人生において、科学はどのような価値があるかをランキング付けするのが課題です。「地球環境や他の生き物のことを考えるため」「未来を見つめるため」「時流の要求に答えるため」「生命の安全、尊厳、人間性」などの項目を、まずは個人で考え、その後グループで討論し、最終的にグループとしてのランキングを発表するという、なかなかハードルの高いテーマに取り組みました。

活動レポート写真8
同じグループの仲間
活動レポート写真9
もうすでに友達どうし

 1日を通して、良く練られた授業内容とホスピタリティに全員大満足で、最後には、今日初めて会ったとは思えないほど高校生同士が仲良くなって、高校訪問プログラムは終了しました。

活動レポート写真10