さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第2グループ
かずさDNA研究所を訪問
さくらサイエンス・ハイスクールプログラムの第2グループの、カンボジア、フィリピン、ブータンの高校生と引率者、計15名が来日中です。
10月17日(月)の午後、一行を乗せたバスは、東京湾アクアラインからの広大な海や、緑豊かな木更津の風景を車窓に映しつつ、「公益財団法人 かずさDNA研究所」へと向かいました。かずさDNA研究所は、世界初のDNA専門の研究機関として、DNA研究をリードしている研究機関です。理系分野に興味がいっぱいの優秀な高校生たちは、事前に配布されたガイドブックに目をとおしながらワクワクしている様子でした。
到着後には、早速、広報・研究推進グループ 長瀬隆弘 特任研究員が、研究所の概要、DNAのしくみ、ゲノム生物学について講義をしてくださいました。内容は「DNAってどこにあるのだろう」「DNAはなぜ生命の設計図と呼ばれるのか」など興味深い内容ばかり。高校生たちはノートをとりながら真剣な表情で聴き入りまました。特に、同研究所が1996年に解読した(生物のゲノム解読では世界3例目)、光合成を行う細菌の一群である「らん藻(シアノバクテリア)」の全ゲノム配列書(357万文字)には興味津々で、その莫大な厚さの本に圧倒されているようでした。
講義の後は、身近な食べ物から実際にDNAを取り出す実験が始まりました。ひとりひとりに魚や野菜などの食品液が入ったチューブが手渡され、その中に細胞を壊す液体(洗剤)を入れてからチビタンという遠心分離器にかけ、最後にエタノールをポタポタと慎重にたらします。そこに浮かび上がってきた白いモヤモヤ・・・これこそがDNA!! 高校生たちの顔から思わず笑みがこぼれた瞬間でした。また、DNA研究の必需品であるマイクロピペットも全員に配られ、微妙な液体の量を調節して排出する練習もさせてもらえました。
失敗をしても優しくサポートをしてくださる研究員さんたちのおかげで、終始和やかな雰囲気に包まれて進行した貴重な体験の数々。最後にはひもを編み上げてDNA型のキーホルダーを作成したり、研究所内のシーケンサーを見学させていただいたり、時間いっぱいまでたっぷりと神秘のDNAの世界にひたることができました。
名残惜しくかずさDNA研究所を後にした一行は、再び東京湾アクアラインを渡って、東京へ。途中、海ほたるに立ち寄って景色を楽しんだり、「うみめがねアクアラインシアタ-」のダイナミックな映像で東京湾アクアラインの誕生物語や最先端技術を楽しんだりしました。