さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第1グループ
さいたま市立大宮北高等学校を訪問
9月28日(水) はさいたま市立大宮北高等学校を訪問しました。同校は60年以上の歴史を誇る伝統校で、文部科学省からスーパーサイエンススクール(SSH)に指定されている高校の一つです。
晴天に恵まれた爽やかな朝、校門前に到着したバスから降りたった一行は、連日の疲れもみせずに元気いっぱい!会場に向かう廊下で、「日本の高校生との交流を楽しみにしていた」と話してくれました。わくわくしつつも、ちょっと緊張した面持ちで会場に入る一行を温かい拍手で迎えてくれたのは、理数科で学ぶ大宮北校生41名と、3名の留学生(台湾・イタリア)です。楽しみにしていたのは、日本の高校生たちも同じだったようですね。
交流会は、すべて大宮北高生の司会進行で進められました。使用言語はもちろん英語のみです。PPTを使用しての学校紹介、日本の紹介など、皆で協力をしながら心を込めて準備をしてくださった様子が伝わってきました。日本のアニメの紹介では「知ってる!!」と歓声があがっていました。
インドネシア、ネパール、ミャンマーの高校生たちからの発表は、民族衣装、料理など、どれも大変興味深いものでした。ミャンマーの高校生が紹介をしてくれた「タナカ」という木を原料にした化粧品は、ミャンマーでは男女を問わず子どもから大人まで一般的に使用されているものとのこと。後ほど大宮北高生がミャンマーの高校生と一緒に「タナカ」を試している様子も見られました。
交流会の後は、各国の高校生と大宮北高生が混合で5人一組の8つのグループに分かれて「ゴムの弾性力を用いたシャトル飛ばし装置の開発」に挑みました。輪ゴム8個、プラスチック段ボール1枚、角棒1本、工作用紙1枚、養生テープ1本を材料にして、バトミントンのシャトルを飛ばす装置を考案し、作製するというものです。午後からのコンペティションに向けて、各グループとも真剣な表情でさっそく作戦会議にとりかかりました。
ここでも使用言語は英語のみです。大宮北高生どうしも、日本語は使用できません。(*ちなみに、インドネシア、ネパール、ミャンマーの高校生にとっても、英語は母国語ではありません。)時には、語彙の問題で伝えたいことがうまく伝えられないというもどかしさを感じつつも、お互いの努力でコミュニケーションを深め、アイディアを形へと昇格させていきます。実際に定規やカッターで工作に取りかかる段階では、課題への取り組みに対する集中力が高まり、それぞれがテキパキと作業を進めている姿が印象的でした。
午後から実施されたコンペティションでは、決められた発射台から的に向かってシャトルを発射し、落ちたところの位置でポイントを競いました。ただし、発射台と的の間には、1.8メートルの壁が設置されているため、シャトルを高く飛ばして、それを飛び越す必要があります。なかなか、難易度が高めの設定です。高校生たちは、各グループが完成させた「シャトル飛ばし装置」を持ちより、発射されたシャトルの行方に一喜一憂しながら、大いに盛り上がりました。
一日をかけて、たくさん話して、考えて、同じ目標に向かって一緒に作業をした各国の高校生たち。それぞれの心の中に確かな絆が生まれているように感じました。
2年ぶりにハイスクールプログラム(SSHP)を再開できたことを、心から嬉しく思った瞬間でした。