2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第139号 (Aコース)
くすりの富山、持続可能社会創出の取組みを通した産学官連携による
インド・アンドラプラデシュ州との交流促進
富山県生活環境文化部国際課からの報告
1. 概要
令和5年1月22日~1月28日の7日間、富山県と交流しているインド・アンドラプラデシュ州にあるアンドラ大学、アーチャーリャ・ナガージュナ大学、シュリー・パドマーワティ・女子大学から、薬学やバイオテクノロジー、フードテックを専攻している11名の学生と2名の教員が富山県に来県し、富山大学での講義や実習、本県の代表的な産業である製薬業の企業や研究機関の視察等のプログラムに参加しました。
2. プログラムの内容
<1月23日>
午前中は富山県庁で生活環境文化部長を表敬訪問しました。
参加者からは、富山からインドへの大学生派遣や短期留学に関する提案がありました。
午後は富山大学院持続可能社会創成学環を訪問し、富山県とインドの水環境汚染に関する講義及び水質測定の実験、AP州出身の教授によるSDGsに関する模擬授業が行われました。学生たちは、講義の内容に大変興味を持った様子で、担当教員に多くの質問をしていました。
また、平成29年度のさくらサイエンスプログラム で来県した学生のうち1名が、本県の制度を利用し富山大学大学院医学薬学教育部前期課程へ進学し、現在は後期課程に在学しており、同日に開催した夕食会で、自身の留学体験や現在取り組んでいる研究などについてプレゼンしました。
<1月24日>
午前中は富山県下水道公社神通川左岸浄化センターを訪問し、日本式の下水処理方法や処理水の再利用について説明を受け、その後、施設内を見学しました。
午後は富山県立イタイイタイ病資料館を訪問し、富山県神通川流域で発生した四大公害病の一つであるイタイイタイ病克服の歴史や環境・健康の大切さについて学びました。
<1月25日>
富山県薬事総合研究センターを訪問しました。「ミニタブレット製剤の開発」、「薬用植物としての牡丹の利用促進」を始めとした同施設で行っている薬事に関する研究開発等について説明を受け、その後、研究室を見学しました。学生からは、自身の研究に関連した多くの質問がありました。
その後、隣接する富山県環境科学センターを訪問し、本県の大気環境や水環境、インドと環境の比較について説明を受けました。
<1月26日(木)>
富山県を代表する観光地である五箇山相倉集落や庄川峡遊覧船を視察しました。学生らは生まれて初めて見る雪に大変感激していた様子でした。
<1月27日(金)>
午前中は「薬種商の館 金岡邸」を訪問し、300年の歴史をもつ富山の売薬業について学習しました。
午後は株式会社ダイトを訪問し、平成30年に「アセアン地域等からの外国人留学生受入・定着促進事業」を活用し、富山大学大学院医学薬学教育部に進学し、卒業後に同社に就職したインドAP州出身の職員から自身の経験や同社で行っている研究等についてプレゼンしました。
3. 来日した学生からの感想
- 日本の先進的な技術や興味深い研究に関する知識を得ることができました。修士課程ではぜひ富山で学びたいです。
- プログラム内で目にした高度な医療技術や先進的な機器を見て感動しました。このプログラムは学生に、日本での修士課程への進学や薬学研究を行う熱意を生み出しました。
- 毎年実施し、インドの学生の富山や日本への留学の可能性を高めてほしいです。
4. 今後の展望等
参加した多数の学生から、富山県で留学や就職をしたいという感想をいただくことができ、将来における本県への留学や就職の機運醸成に寄与する具体的な成果が得られました。