2022年度 活動レポート 第100号:佐賀大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第100号 (Cコース)

セルロースナノファイバーとカーボンナノチューブを用いた環境低負荷型電極の作製と
環境汚染物質のセンシングに関する科学技術研修活動プログラム

佐賀大学理工学部化学部門
電気化学研究室(冨永研究室)からの報告

【概要】

 2022年11月16日から11月25日の10日間、インドネシアのカリマンタン工科大学の教員のHizkia Alpha Dewanto先生と学部生のKeysi Devain Destinyさんならびに、ブンハッタ大学の学部生のNafisa Rafikati Nasutionさん、Umi Ramadhaniさんの4名が、理工学部化学部門電気化学研究室(冨永 昌人教授)において、科学技術研修コース「セルロースナノファイバーとカーボンナノチューブを用いた環境低負荷型電極の作製と環境汚染物質のセンシング」と体験プログラム活動を行いました。また、日本文化の視察や佐賀市のバイオマス産業への取組についても学びました。

【科学技術研修活動】

 セルロースナノファイバー基板上にカーボンナノチューブを塗布することで一体型の環境低負荷型電極を作製しました。この電極を用いてのアモキシシリンの高感度な電気化学的検出を研修しました。東南アジアでは抗生物質は薬局で自由に購入が可能で、アモキシシリンは最も使われる抗生物質です。下水処理施設が不十分な東南アジアでは、この抗生物質が河川や湖に流れ込んで問題になっており、今後重要な検出技術になると思われます。

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試薬調製
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セルロースナノファイバー基板の製作

 プログラム最終日には、4名の招へい者が、母国大学での研究や本プログラムでの活動成果について、それぞれが約20分の英語でのプレゼンテーションを行いました。冨永研究室の日本人学部生・大学院生も、各自の研究内容を英語で5~10分間で紹介しました。

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成果発表会

【体験プログラム】

 2022年11月19日に、熊本市街を訪ねて、2016年4月の熊本地震で被害を受け、その修復作業が完了した熊本城天守閣や水前寺成趣園を視察しました。また別の日には、佐賀市エコプラザを視察しました。リサイクルのためには「ゴミの分別」が極めて重要であることを再認識できたようでした。大隈重信の生家や佐賀城本丸歴史館を視察して日本と佐賀県の歴史について理解を深めてもらいました。

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佐賀市エコプラザにて

【研究室学生の感想】

 科学技術研修活動や視察などを支援した研究室の学生にとっても,有意義な研修活動となりました。下記は、今回のプログラムの支援をメインでやっていただいた学生の感想です。

SRS(D3)さん:Although it was not my first time acting as supporter for Sakura Science students, however it was nice to have students visiting our laboratory again after the pandemic. Moreover, since they were coming from the same country as I am, I was able to reconnect with my old senior and get new friends coming from different city of Indonesia. I was also delighted to share my knowledge by teaching them a part of my research as one of activities in the program. They showed big reactions and actively asking questions throughout the 10 days of their stay in joining the program.

HS(B4)さん:英語に自信が無かったので、インドネシアの方とコミュニケーションを取れるか不安でしたが、1週間もすると耳も口も英語に慣れて楽しく会話をすることが出来るようになりました。英語での実験の説明や視察案内など、普段の生活では体験できないことができて、とてもいい経験になりました。英語や海外の方との交流への抵抗感も減り、この経験は自分の強みにできると思います。

【最後に】

 帰国前日に修了証書の授与式を執り行いました。その後、日本人学生にも参加してもらい、簡素な意見交換会を開催しました。日本の科学技術や文化、アニメ、教育システム等など、リラックスした雰囲気の中、幅広い分野における有意義な意見交換ができました。

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修了式を終えて

 最後に、本プログラムを実施するにあたり、ご協力いただきました本学の事務職員の皆様ならびに多大な貢献をしていただいた研究室の学生皆さんに心から感謝いたします。ご支援をいただきましたさくらサイエンスプログラムに感謝いたします。