2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第140号 (代替オンライン)
海外短期モノづくり留学生に対するロボット関連教育と技術習得
サレジオ工業高等専門学校 機械電子工学科
准教授 米盛 弘信さんからの報告
サレジオ高専では、2022年3月9日~3月11日の3日間、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、オンライン交流プログラムを実施しました。本プログラムでは、フィリピンにあるサレジアンファミリーのカリタス・ドン・ボスコ・スクール(CDBS:Caritas Don Bosco School)の生徒と先生に対して、「モノづくり」をテーマにウェビナー(国際オンラインセミナー)を実施しました。例年は、フィリピンの生徒が日本へ来日して、本校学生と私が指導者となって短期モノづくり講座を行っておりますが、2020年初頭からのコロナウイルス感染症の感染拡大に伴って、2021年度も来日は叶いませんでした。そこで、Zoomでオンライン接続し、来日した際に実施予定であったロボット製作について、その製作過程やロボット等の基礎知識の授業、グループディスカッション等を行いました。
初日の3/9は、本校の学生とフィリピンの生徒が自己紹介と学校紹介をした後、クイズを含んだメカトロニクスの基礎講座を実施しました。2日目の3/10は、ものづくりの基本としてPDCAサイクルを解説した後、自律制御ロボット「落ちない君」の製作について、事前収録したタイムラプス動画を活用しながら解説しました。製作内容としては、電子回路基板のエッチング・穴あけ・切断・絶縁膜の作成、続いて、部品のはんだ付け、回路の動作確認、ギヤボックスの製作、配線ハーネスの製作、組み立て、動作確認になります。その後、Zoomのブレイクアウトルームに分かれて、PDCAの活かし方やロボットの活用についてグループディスカッションを行いました。3日目の3/11は、フィリピン側のロボティクスチームの活動紹介を行った後、2日目のグループディスカッションの結果をフィリピンの生徒に発表してもらいました。最後に修了証のオンライン授与を行い、閉会となりました。
コロナ禍において、両国の学生達は様々な制限が課せられており、今回のような機会は気分転換やモチベーション向上に大きく寄与したと思います。このような機会を与えていただきましたJSTの皆様には大変感謝しております。また、特筆すべき点として、今回のグループディスカッションには、コロナ禍前にさくらサイエンスプログラムで来日した学生も多数オンライン参加してくれ、現役学生への良きチュータ役になっていました。OB・OGは現在、工学・医学などを専攻する大学生になって勉強しているとのことでした。このようにOB・OGと現役がつながって国際交流イベントを進められること、そして卒業後もさくらサイエンスプログラムで体験したことを覚えてくれていることに感銘を受けました。
本校は全世界に数千校の姉妹校があり、海外にある姉妹校との交流を盛んに行っており、技術だけではなくグローバル化している世の中で活躍できる国際性豊かな人材育成に注力しております。今後も本校ならではの教育を推進してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。なお、CDBSの皆さんは、本交流を経て、日本で開催の「World Robot Summit」と「International Robot High School」の出場に向けて活動しています。サレジアンファミリーの活躍に温かい声援をよろしくお願いいたします。
【3月9日(水)@1日目】
開会式 |
参加学生の自己紹介(各自、名前と趣味等) |
両校の紹介@各校30分(両校の学生) |
クイズを含んだメカトロニクスの基礎講座 |
【3月10日(木)@2日目】
モノづくりの基本(PDCAサイクルの紹介) |
自律制御ロボットの製作(発表者:米盛) |
⇒動画配信しながら基板製作・穴あけ・切断・はんだ付け・組立・動作モーションの決定・プログラム・動作の解説 |
ブレイクアウトルームに分かれて小グループ活動(CDBS) |
⇒モノづくり活動でPDCAサイクルを活かすには? |
⇒製作した自動制御ロボットの疑問点の洗い出し |
⇒製作した自動制御ロボットの動作を何に応用できるかグループごとに考える |
⇒議論の結果をスライドにまとめる |
【3月11日(金)@3日目】
CDBSロボティクスチームの活動紹介 |
2日目の小グループ活動の成果発表① |
2日目の小グループ活動の成果発表② |