2021年度 活動レポート 第132号:芝浦工業大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第132号 (代替オンライン)

国際オンライン・ロボティクスワークショップ

芝浦工業大学工学部先進国際課程 
准教授 吉久保肇子さんからの報告

 芝浦工業大学では、マレーシアのトゥン・フセイン・オン・マレーシア大学(UTHM))およびタイのキングモンクット大学トンブリ校(KMUTT)とのオンラインワークショップを2022年2月28日に実施しました。本ワークショップは、ロボティクスワークショップを通じて、海外協定大学の学生に本学へのセメスター留学や研究室インターンを具体的にイメージしてもらうことを目的に企画しました。本来は対面でのプログラムを実施予定でしたが、新型コロナウイルスの影響を受け、HyFlex形式(日本人学生は対面参加+マレーシア・タイの学生はオンライン参加)での開催となり、学生と教員合わせて30名の国際オンラインワークショップとなりました。

 プログラム内容は、次の通りです。

  1. 「ArduinoおよびTinkerCadを用いたロボティクスに関するベーシックスキルのワークショップ」(工学部機械機能工学科 長澤純人教授担当)
  2. 特別講義「日本の印刷技術の歴史 -日本の海外文化と技術の受容-」(筆者担当)、「工芸技術と現在のロボットへのつながり」(工学部先進国際課程 橘雅彦教授担当)
  3. 「3か国の学生が互いの国を紹介するcultural exchange discussion」(マレーシアオフィス 石崎浩之教授担当)
活動レポート写真1
ZOOMによるロボティクスワークショップ
活動レポート写真2
終了時集合写真

■プログラムの成果

 プログラムの目玉は、長澤純人教授によるロボティクスワークショップです。参加者は、講義を受講して基礎知識を習得した後に、ハードウェア・プログラミングシミュレータであるArduinoとTinkerCadを実用例に取り上げたワークショップに挑戦しました。国際プログラムに参加する醍醐味は、見知らぬ土地で過ごし、異なる文化や考え方を肌で感じ取る体験をすることですが、オンラインワークショップの場合には異文化に物理的に身を置くことはできません。そこで、日本文化・歴史の紹介も兼ねた特別講座やcultural exchange discussionをプログラムに含めることで、マレーシア、タイの学生に日本に興味を持ってもらえるように工夫しました。ワークショップ前後には、異文化コンピテンシー調査(科研基盤研究(C)20K02947 研究課題名: 短期留学プログラム評価法の開発 -教職協働による異文化間コンピテンシーの醸成-)を実施し、オンラインプログラムの効果測定も行いました。

■今後の展望

 プログラム終了後には、参加学生から「実際に日本に行き、対面でチームを組んだ状況で学習してみたい」という意見が多く寄せられました。セメスター留学の問い合わせも早速入ってきています。本ワークショップ終了後には、協定大学の教員と今後の共同研究に向けたディスカッションを行いました。渡航規制解除後には相互で訪問し合い、プログラムと合わせて国際共同研究についても発展させたいと思います。最後になりますが、本プログラムを実施するにあたりご支援を賜りました、JSTさくらサイエンスプログラムに心より感謝申し上げます。