2021年度 活動レポート 第128号:宮崎大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第128号 (代替オンライン)

ペルー・国立サンマルコス大学とのオンライン交流
~ペルーと日本の科学研究における若手研究者の交流および共同研究の推進~

宮崎大学フロンティア科学総合研究センター
特別教授 森下 和広さんからの報告

 宮崎大学はさくらサイエンスプログラムの支援を受け、コロナ禍により延期となった2020年度採択分のプログラムを代替オンライン交流として実施することになった。学際的な交流となるよう当初は7件の交流会を企画したが、最終的に4件が実施に至った。

 国立サンマルコス大学とは、教員同士の繋がりも深く、大学間協定も締結していることから、各交流会に先立ち、開会式を行った。両大学長、研究担当副学長、国際連携担当副学長、更にはペルー駐箚日本国特命全権大使にもご出席いただき、ご挨拶いただいた。双方ともに、今後の研究交流に前向きであり、これを機会に人的交流が活発になることを願って、今年度のオンライン交流会を進めることになった。

活動レポート写真1
開会式の集合写真

■1回目:2021年11月28日

 地域資源創成学部学生とサンマルコス大学医学部学生が、互いの国や文化、大学、そして研究内容等の紹介を行った。ディスカッションなどは行われなかったが、今後の交流の手始めとなる交流会となった。

活動レポート写真2
地域資源創成学部学生との集合写真

■2回目:2022年1月18日

 医学部産婦人科とサンマルコス大学医学部産婦人科及び小児科との間で、両国における新生児医療並びに新生児死亡についての紹介や解説、宮崎県における新生児医療体制の紹介などを行った。今後、新生児医療における臨床面並びに基礎研究面において交流を行う上で最初の発表会となった。また、サンマルコス大学からの大学院生受入についての紹介も行った。

活動レポート写真3
産婦人科・小児科との交流会での集合写真

■3回目:2022年1月28日

 双方の医学部外科学講座に加え、交流のあるボリビア国の外科医師にも参加していただき、医学部間での胆嚢癌プロジェクトとして、ペルーにおける胆嚢癌の診断や治療法の紹介、胆嚢癌手術の適応の最適化についての発表を行った。それぞれの国における胆嚢癌の基礎臨床面における問題点から、今後の共同研究や交流を深めることで意見が一致した。なお本学では医学獣医学総合研究科大学院特別セミナーとしても開催し、60名近い博士課程並びに修士課程の学生も参加した。

活動レポート写真4
外科学講座セミナーの集合写真

■4回目:2022年2月28日

 本学で医学英語講座を受講している医学科生とサンマルコス大学の医学科生、4~6年生が各20名程参加し、交流会を実施した。国や大学の紹介等に引き続き、コロナ禍における医学教育や実習に関して気づいた事を挙げ、その長所・短所を紹介し、今後の医学教育のあり方、方法について双方の取り組みを発表した。後半は、4,5人のグループに分かれ、それぞれのトピックについて討論した。両校の医学部長(または代理)も出席し、医学部間での国際交流や人事交流、医学研修や研究協力など、今後の発展を検討していくこととなった。

 これらの交流会により、学部学生同士の交流や医学部内での臨床並びに研究トピックスについて、基礎及び臨床医学研究者や医師による発表を行うことができた。これを契機とし、今後の更なる情報交換や相互訪問を重ね、共同研究の推進、人事交流をすすめる手がかりとしたい。