2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第124号 (代替オンライン)
東京都市大学と中国・厦門理工学院オンライン交流-最先端電子情報通信技術を体験
東京都市大学からの報告
2022年3月8日、さくらサイエンスプランの支援を受けて、東京都市大学と中国・厦門理工学院の教職員と学生が参加する「最先端電子情報通信技術体験を通じた国際的学生交流」をテーマに、オンライン国際交流活動を実施しました。当初は外国留学生10名を本学世田谷キャンパスへ招へいして実施する予定でしたが、COVID-19感染拡大の影響により、オンライン実施することとなりました。オンライン交流がゆえに、参加者数が多く、両大学の学生と教職員合計37名でした(東京都市大学16名、厦門理工学院21名)。
■実施プログラム
- 東京都市大学の紹介(国際センター)
- 厦門理工学院の紹介(林海軍 准教授)
- 東京都市大学の集積化システム研究室の紹介(電気電子通信工学科 傘昊教授、集積システム研究室学生)
- 集積化システム研究室の研究成果発表(博士学生1名、修士学生3名)
- 留学生による日本留学生活の紹介(集積化システム研究室 博士課程学生、厦門理工学院OB)
今回の交流活動では、まず、両大学の紹介が行われ、お互いに両大学の最近の教育・研究成果の最新状況を把握する事ができました。また、COVID-19による感染拡大が完全に収束していない中、両大学の学生受け入れの状況と今後の展望をうかがうこともできました。また、オンライン形式ではありますが、東京都市大学・集積化システム研究室の教育・実験・研究施設の見学をはじめ、実機の集積回路(LSI)の測定・評価のデモ実験もあり、より理解度が深まったことがとても印象的でした。一方的なスライドによる説明ではなく、実機デモもあり、特にQ&Aでは、沢山の質問があり、参加者の気分も盛り上がりました。コロナ感染拡大により、対面での国際交流実施は難しくなり、リモート交流を余儀なくされ、モニター超しに交流することとなりましたが、両校の学生の熱意を強く感じられ、学生同士の親交を深める交流活動となりました。
■交流会スタート、総勢37名の参加者でした。
■東京都市大学の紹介
本学国際部による大学概要、研究教育活動、留学生受け入れ体制、入試と奨学金制度の詳細紹介を行いました。本学は研究教育活動もちろん、国際化にも力を入れており、活発的な国際流行活動内容の紹介はとても魅力的でした。
■厦門理工大学の紹介
厦門理工学院の林 海軍先生より、厦門理工学院の大学紹介を行いました。積極的に国際流行が行われていることをうかがうことができました。今現在、対面の国際交流は止まっている状況ですが、オンライン交流も積極的に行われ、アフターコロナでは、一層の国際交流拡大を企画されていることも紹介されました。
■研究内容の紹介
本学集積化システム研究室の研究概要及び最新の研究成果の紹介を行いました。厦門理工大学から参加した学生から、大変興味を示しており、質問も沢山ありました。
■集積回路測定風景のデモ実験
本学集積化システム研究室の学生によるデモ実験を行いました。研究室で設計、開発した集積回路(アナログ・デジタル・変換器回路)のLSIチップの性能評価システムの構築と測定データの解析手法と実測結果を紹介しました。学生が設計した集積回路が評価用電子回路基板に実装され、各種計測器を使用し、集積回路の出力結果を確実に記録・保存された後、測定データの解析と測定結果の妥当性判断の一連の実験方法を紹介しました。工学分野でモノづくりの楽しさは画面越しにも思う存分に伝えることができました。
■留学生による東京都市大学留学生活の紹介
集積化システム研究室に在籍している博士後期課程の留学生による留学紹介を行いました。紹介者は厦門理工学院のOBであり、留学の動機、東京都市大学に入学したきっかけ、入学試験の経験を紹介した後、入学後、日本の生活や、大学での研究活動も紹介しました。特に留学生目線からの視点や、実経験の留学苦労話、また、感動を受けたことなど、ためになる内容を沢山含んだ紹介は、参加された学生にはとても参考になりました。
コロナ前の対面式実施に比べ、短いオンライン交流時間ではありましたが、日本の大学の理工学教育現場、研究室の日常、中国からの学生を紹介するができました。「日本人学生の日常を知ることができた。貴重な経験ができて、とても良かった」と多くの参加者が言っていました。また、実際の学生の研究内容の紹介、デモ実験の実施により、「工学に対する興味は更に持ちました」との声もありました。
留学生による日本留学生活の紹介では、実際の経験談と感想であり、留学を考えている学生にはとても参考になりました。オンライン実施ではありますが、外国学生と日本人学生との交流を兼ねることによる日本文化の体験など、技術・文化、そして人の交流により大変有意義なプログラムを実施することができました。本学の学生にとっても、同年代の他国の学生と交流することを経験し、お互いの国の生活、文化、経済の話をすることができ、視野を広げることができたと思われます。また、参加者のアンケートをみても、全員が今回のプログラムに対して「非常に満足」と答えました。将来は日本の大学院に進学したいという学生がほとんどで、非常に充実したプログラムであったことがわかりました。
コロナによる感染拡大は完全に収束していない状況で、大学の施設使用も一部が制限される中、当初計画していた来日の訪問のキャンセルも余儀なくされましたが、JST事務局、東京都市大学国際部及び厦門理工学院の皆様の多大なご尽力により、無事にオンラインで実施できたことは大変うれしく思うと同時に、関係者の方々に御礼申し上げます。参加者の皆さんも理解していただき、最後に「東京都市大学とのオンライン交流が出来て良かった」との言葉をいただいた時、本当にほっとしました。このような貴重な国際交流の機会を与えていただいた「さくらサイエンスプログラム」に心より感謝申し上げます。また、このプロジェクトにご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。