2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第119号 (代替オンライン)
ベトナム、マレーシアの大学生とのオンラインによる技術交流活動
芝浦工業大学 工学部電気工学科
教授 藤田 吾郎さんからの報告
さくらサイエンスプログラムとして2021年度内に予定していた、ベトナムのHanoi University of Science and Technology (HUST) および Ho Chi Minh University of Technology (HCMUT) の受け入れブログラムと、マレーシアのUniversiti Tenaga Nasional (UNITEN)の受け入れブログラムが、新型コロナウイルス感染症の影響により対面での実施が困難となった。本来は、本プログラムを能動的かつ実践的な内容とするため、運営において以下の手法を頻繁に活用することとしていた。
- 両大学の学生が一緒に実験、ワークショップに取り組むグループ構成。
- ディスカッションとそのサマリーを最終日にプレゼンテーションする発表型の合同成果物作成。
- 多くの実験において自らの手を動かし、かつグループとして試行錯誤するアクティブラーニング型学習法。東京電力中央給電指令所などの電力システム関係の施設見学による、日本における技術応用の体験。また、自国の発電設備との相違点を発表してもらうことによる、本学生の啓発。
- 本学生と現地学生が1対1で組むバディ式サポートによるきめ細やかな学習支援、またそれを通した本学学生に対する国際交流の機会の提供。
- 教員同士が今後の活動について協議、合意することによる、交流継続の具体化。
しかしながら、これらの活動は困難であるため、オンラインミーティングシステムを活用して、両プログラムの代替手段として、オンラインによる技術交流活動を2月28日に合同実施した。具体的には、SIT、HUST、UNITEN、HCMUTの学生達がそれぞれの国の地理、歴史、文化や研究室についての紹介を行い親交および理解を深めた。各国それぞれ独自のスタイルで写真や動画を作成し、自国のことに興味を持ってもらえるような内容で、それぞれ紹介しており非常に有意義な交流となった。特に食べ物やアニメなどの文化や観光地に興味を持った学生が多く、積極的に意見交換している姿がうかがえた。英語の不慣れな学生にとって英語で説明し、応答するということは大変困難であったかもしれないが、さくらサイエンスプログラムでの異文化交流を通してステップアップできたと感じている。
司会進行役が上手く進行してくれたおかげで、プログラム全体がスムーズに実施できた。現地交流であれば意見交換がしやすかったかと思われるが、チャット機能を積極的に使用してオンラインを適切に活用した交流ができた。しかし、英語で説明したり、応答したりすることに関しては、語学力の高い学生や司会進行役に頼る傾向があったので、今後のためにも学生一人一人が自分の考えを持ち、英語で表現する機会を増やしていくことが必要だと実感した。最後に今後の共同プログラム実施に向けて意見交換を行い、今後も協力関係を強化することで合意した。コロナ禍においてもオンラインでの国際交流の機会を確保し、withコロナ社会を見据え、国際社会で活躍できる優秀な人材の創出を目指していきたい。