2021年度 活動レポート 第117号:芝浦工業大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第117号 (代替オンライン)

スリランカ ワヤンバ大学とのオンライン交流

芝浦工業大学 工学部 電子工学科/大学院理工学研究科
准教授 プレーマチャンドラ チンタカさんからの報告

 芝浦工業大学(SIT)は2017年以来、スリランカのワヤンバ大学から学生を招き、交流プログラムを積極的に進めてきた。これまでのプログラムでは、主にスリランカ出身の私自身が運営する画像処理・ロボティックス研究室(チンタカ研)で実施してきた。また、毎回参加学生に画像処理およびロボティックス分野における最新技術を学習する場を設けてきた。さらに、相手校の学生をSITに招き、交流会を行う際は、SITの日本人学生に限らず、SITの留学生も積極的に参加しており、大変幅広い国際交流イベントとして実施されてきた。

 今回、スリランカの学生を招くことができなかったことは、大変残念であったが、代わりに、2022年3月4日にオンライン交流プログラムを実施した。オンラインでの実施により、ワヤンバ大学の学生はもちろんのこと、学長を含め、教職員32名にも参加いただいた。SITを含めた日本の高等教育機関について、スリランカの多くの方々へ説明を行い、コロナ禍であっても関係性を深めることができた。

活動レポート写真1
プログラムの様子(参加者の集合写真)
活動レポート写真2
プログラムの様子(これまでの活動の紹介)

 ワヤンバ大学の発表では、過去さくらサイエンスプログラムに参加した学生の体験談があった。プログラムを通じて来日したあとに、再度研究留学生として来日し、SITのチンタカ研で電子技術を学んだこと。その経験を活かして、自動消毒機器を作り、スリランカのコロナ病床に配布した経験が発表された。スリランカで販売しているどのタイプの消毒液ボトルも、彼が作った機器に簡単に設置することができ、消毒液のポンプに手を触れることなく、自動消毒ができる。この機能に加え、省エネで動作する点もこの機器の特徴である。多くの方々から協力も得て、彼自身多くの自動消毒器を製作し、設備等が不足しているスリランカの病院へ配布を行ったことが発表された。

 またその学生は発表の中で、コロナ禍においてこのような活動できたのは、さくらサイエンスプログラムをきっかけに来日し、SITのチンタカ研で電子技術を体験したおかげであると語り、プログラム主催機関である国立研究開発法人科学技術振興機構への深い感謝を述べた。上記の学生体験談からもわかるように、さくらサイエンスプログラムは海外学生が自らの能力を発揮できるきっかけとなっており、世の中に大きな影響を与えるプログラムであると改めて実感した。

活動レポート写真3
ワヤンバ大学の学生が製作した自動消毒機器

 上記に加えて、本オンライン交流イベントで、スリランカワヤンバ大学学長Prof. Sanjeewa Bowatte、本プログラムのワヤンバ大学の担当教員Dr. Waruna Premachandraをはじめ多くの先方関係者から深い感謝の言葉を頂く同時に、当プログラムの継続的な実施のご依頼もいただいた。これを受けて、今後もさくらサイエンスプログラムを積極的に活用し、多くの海外学生に日本での研究の機会を与えてゆきたい。