2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第098号 (代替オンライン)
材料科学分野における日本の先端的分子シミュレーション技術について学ぶ体験交流
東北大学からの報告
2022年2月3日から3月10日の間、毎週1回(合計6回)のペースでインドネシア大学の大学院生18名および教員3名を迎えてオンライン交流を実施した。今回のオンライン交流では先端的なシミュレーション技術に関する実践型講義や実験デモンストレーションをとおして研究内容について理解を深め、研究設備・計算方法・可視化技術のレクチャーによりシミュレーションに必要な基礎知識を共有した。研究紹介では、シミュレーションおよび実験のプロセスをライブ配信することで、計算技術と実験のコラボレーションについてより直接的かつ本質的な理解を深めることができた。オンライン交流後も、学生らから直接研究に関する問い合わせが頻繁に来ており、活発な議論を継続的に行うことができているのは、今回の交流の影響が大きいと言える。インドネシア大学の学生数名が留学生として来年度以降に東北大学へ入学を希望している状況である。
各回の実施内容の詳細については以下の通り。
2月3日 | 実施機関と参加機関 研究紹介、意見交換会 |
10日 | 実施機関側からの計算環境構築のレクチャー |
17日 | 実施機関側からの計算方法等のレクチャー |
24日 | 実施機関側からの実験設備、実験方法等のレクチャー |
3月3日 | 実施機関側からの可視化技術等のレクチャー |
10日 | 実施内容に関するディスカッションおよびラップアップ |
- 「実施機関と参加機関それぞれの研究紹介、意見交換」では、実施機関からは各種分野における先端的なプログラミングおよびシミュレーション技術、参加機関からは実験的に行っているナノ生体材料開発、それぞれの研究概要について紹介し、意見交換を行った。
- 「実施機関側からの計算環境構築、計算方法等のレクチャー」では、参加機関の学生らのPCを用いて簡易的な計算環境の構築方法および基礎的な計算理論および方法についてレクチャーを行った。
- 「実施機関側からの実験設備、実験方法等のレクチャー」では、シミュレーション内容と関連した簡易的な実験のデモンストレーションをライブ配信することで、より直感的に計算と実験の連携およびその有用性についてレクチャーを行った。
- 「実施機関側からの可視化技術等のレクチャー」では、実施機関側の研究設備を活用して、コンピュータグラフィック技術による計算結果のアニメーション化や3Dプリンターを用いた分子配列像の作成について実演を交えながらレクチャーを行った。
- 「実施内容に関するディスカッションおよびラップアップ」では、参加機関の研究テーマに則したシミュレーション技術や実験技術について詳細な議論を行った。また、参加機関の学生から本オンライン交流で学んだことをレポートにまとめてもらい総括とした。