2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第092号 (オンライン)
日本と中国における看護活動の課題共有と協働的取り組みの創造
― 人々の健康を守り、新しい時代を目指し、夢への道を築く ―
北海道大学からの報告
このたび、JSTさくらサイエンスプログラムの助成を受け、2021年11月27日~12月18日の土・日曜日開催で5日間、北海道大学大学院保健科学研究院と上海交通大学医学院看護学院との交流プログラムをオンラインにて実施いたしました。参加者は20名でしたが、上海交通大学医学院看護学院の教員、上海精神衛生中心の看護部長、北海道大学医学部保健学科および保健科学院の学生、学術研究員、基盤看護学分野の教員を含め、総勢約40名で、活発な交流プログラムになりました。
プログラムの内容は、第1日目は、6名の演者による大学紹介と特別講演でした。演者は、上海交通大学医学院看護学院の楊艶 院長、方琼副院長、李从红講師、上海精神衛生中心の施忠英看護部長、北海道大学大学院保健科学研究院の結城美智子教授、宮島直子准教授でした。それぞれの専門領域からの示唆に富んだ講演となりました。
第2日目は学生や教員による6題の発表がありました。午前中の交流テーマは「医療と看護」、午後は「看護教育」でした。
第3日目と第4日目は、学生の交流プログラムでグループディスカッションを行いました。グループは、修士の学生と学部生がそれぞれ2グループに分かれ、メンバーは中国の学生と日本の学生が約半数になるようにしました。どのグループもリーダーが中心となり、活発で有意義なディスカッションとなりました。交流プログラム後も、メンバー間で連絡をとりあって、発表の準備を自主的に進めてくれていました。
第5日目の最終日は、学生の交流プログラムの発表会がありました。各グループのテーマは、次の通りです。
1グループ:「COVID-19 pandemicにおける看護系大学院生の研究に対する困難と対処」、
2グループ:「Experiences learned from COVID-19」、
3グループ:「日中看護教育交流報告」、
4グループ:「Glow up as nursing students but also nursing scientists」
発表は各グループの特徴や沢山の工夫がなされ、大変ユニークでした。発表言語も中国語、日本語、英語が用いられており、お互いへの思いやりや尊重的態度が表われていました。その様子は、今回のテーマである「課題共有と協働的取り組みの創造」を強く感じさせるものでした。
発表後は、教員間で今後の交流、共同研究、連携について前向きな検討がなされ、今後も交流会を継続していきたいという意見が一致しました。
終了後のアンケート調査では、「このさくらサイエンスプログラムから多くのことを学びました。」「お互いに深く交流したり話し合ったりできる素晴らしいプログラムです。」など、沢山の感想が寄せられ、参加者の全員がプログラムは非常に満足と回答し、留学や研究目的で訪日したいという希望を示してくれました。
今回のプログラムでは、交流を通して学生と教員ともにテーマに掲げた「夢への道」の確かな一歩になりました。JSTさくらサイエンスプログラムのご支援に対して深く感謝申し上げます。