2021年度 活動レポート 第86号:名古屋大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第086号 (代替オンライン)

高効率環境浄化材料に関する研究交流を通して国際交流を活性化

名古屋大学未来社会創造機構
助教 萩尾 健史さんからの報告

 国際青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)の支援を受け、2022年2月24日と25日の2日間、タイ王国のコンケン大学とマヒドン大学およびラオスのラオス国立大学、日本の名古屋大学の計4大学から計9名の大学院生およびその指導教員等で、高効率環境浄化材料に関する研究交流を行いました。本交流プログラムは、環境浄化に利用されるセラミックス材料の情報交換、研究に対して新たなアイデアを創出する思考法の獲得、国際的な若手研究者ネットワークを構築し、グローバル人材の育成を通じた学術交流活動と国際連携研究・教育の更なる活性化に繋げることを目的に実施しました。

<自己紹介を通じた学生間の研究交流を実施>

 国際的な文化交流と学術交流の活性化を目的として、参加した学生による自己紹介と大学での研究紹介を行いました。文化や生活環境・様式の違いを学ぶとともに、異なる強みや問題を抱える地域でどのような研究が進められているかを学びました。このフラットな交流は、国際感覚醸成の一助となりました。

活動レポート写真1
自己紹介・研究紹介の様子

<高効率環境浄化用セラミックス材料の基礎と先端研究を知る>

 セラミックス材料の基礎から本交流担当者の実施している研究も含めた高効率環境浄化材料に関する講義を行いました。最先端の環境浄化材料について、当該分野の知見を持つ教員等から参加者が知識を得るともに、質疑や意見交換などを通して、知識と交流を深めました。中には本人の研究に応用し、教員間の共同研究に繋がる可能性について議論する場面もありました。

活動レポート写真2
セラミックス講義およびその後の質疑の様子

<アイデアワークショップによる研究イノベーションの促進>

 研究イノベーションの誘起に向け、新しい研究アイデアやアプローチを見出す思考法について学ぶワークショップを開催しました。目的や問題点を明確化する手法とアイデアの思考法を基に、実際に各自の研究テーマについて、教員・学生が相互操作するプラットフォームを利用したアイデア創出に取り組みました。思考法について学ぶ機会は珍しく、参加学生も熱心に取り組んでいました。

活動レポート写真3
アイデア思考法ワークショップの様子

<名古屋大学の新たな国際的な取り組みを紹介>

 日本での学習にも興味を持ってもらうため、新材料系国際専攻の紹介をはじめとした名古屋大学の国際的な取り組みも紹介しました。これは学生に海外での学習を考える機会にもなり、参加学生の指導教官からも多くの質問がありました。

活動レポート写真4
名古屋大学の国際的な取り組みを紹介する様子

 本オンライン交流プログラムでは、大学間における学術交流活動と国際連携教育の更なる活性化を図ることを試みました。文化背景の異なるメンバーでの交流や自身の研究の新たなアイデア創出法の学習は、学生にとって国際感覚の醸成や研究を深化させる良い機会になったと思われます。更に、共同研究の可能性や日本での研究に対する意欲も高められましたと思います。

活動レポート写真5
参加者全員での集合写真

<今後の展望>

 今回のさくらサイエンスプログラムでは、ラオス国立大学から本学の博士後期課程に進学した学生にも参加してもらったところ、海外からの参加学生が日本での日常および研究生活や日本文化等ついて質問する様子が見られ、上記の活動を通して日本に対する興味を引き出すことができたと感じました。また、参加学生や各機関からの帯同教員も共同研究の可能性を模索する様子が見られるなど、日本の大学に多くの関心を寄せていることが伺えました。このような連携・協働の土壌ができたことを生かし、今後、国際的な協力関係の構築を一層進め、新たな共同研究や留学、協働教育などに発展させていきたいと思います。

 最後に、このような貴重な機会を与えてくださった、JSTならびに関係者の皆様に深く感謝いたします。