2021年度 活動レポート 第74号:千葉大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第074号 (代替オンライン)

ミャンマーの学生が光・熱制御に関する最先端半導体物性研究を体験

千葉大学大学院工学研究院 
教授 石谷 善博さんからの報告

 ミャンマーでは国内情勢の混乱のため多くの教員や学生が大学から離れたと伺っていますが、本さくらサイエンスプランでは、ヤンゴン工科大学およびマンダレー工科大学から23名の学生(博士後期課程12名、修士課程9名、学部2名)と教員12名の計35名と多くの参加者を迎え、2021年11月30日~12月3日の5日間にわたりオンライン交流を実施しました。

 受け入れ教員は、上記2大学を対象に行われたJICA支援の「ミャンマー工学教育拡充プロジェクト」の中で教育・研究支援を行ってまいりました。COVID−19蔓延や国内情勢の混乱のため第二期支援プロジェクトが中止となり、現地学生や教員からはさくらサイエンス事業による交流への期待が強くなっています。また千葉大学においても学生の留学が必須となるなど国際交流が強く求められています。本事業は双方からの期待に応えるプロジェクトとして位置づけられています。本年度の交流では、ヤンゴン工科大学で導入されたフーリエ変換型赤外分光高度計(FTIR)、真空蒸着装置、マスクアライナ―、走査型電子顕微鏡(SEM)を有機的に関連させた研究を若手教員や学生が立ち上げること、構築中のフォトルミネッセンス測定系に関してその構築方法に関すオンライン実習を行うこと、学生間の研究討論を活性化させることを目的としました。

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討論会発表の様子

 オンライン体験では、加工プロセスや光学システムの構築・光路調整などにおいてウエブカメラを近づけて実験実施者の視野で観察していただくことができました。FTIRによる赤外分光計測・フォトリソグラフィによる表面構造形成、およびフォトルミネッセンス測定システムの構築方法には時間をかけて説明を行い、多くの質問を受けました。作業過程における待ち時間に、実空間の移動なくチュートリアル講義を挿入してより深い理解を可能とする方法をとり時間を有効に用いることもできました。

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フォトルミネッセンス説明班メンバー

 フォトルミネッセンス測定システムでは、当方の準備が不十分な点がありましたため、後日システム調整を再度行って光軸調整方法や用いる部品について情報をアップデートし参加者に周知しました。また、現地で実施が可能なシミュレーションについて半日の時間を割きました。学生間の討論では質疑応答を活発に行うことができ、両国学生が意識を共通化することができたように感じました。またミャンマー語による通訳を必要に応じて取り入れ、より深い理解が可能となるよう対処いたしました。2019年度2020年度 の活動の結果、現在3名の学生が日本に留学しています。また本年度も留学に関するご質問を受けました。来年度COVID−19が沈静化し、またミャンマーの社会情勢が安定し、多くの学生が渡日による活動の機会を得られることを期待します。

 本招へいにはJSTおよび千葉大学の多くの方のお世話になりました。感謝申し上げます。

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参加者のスクリーンショット