2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第013号 (代替オンライン)
ミャンマーの工科大学とのオンライン交流を実施
千葉大学大学院工学研究院からの報告
ミャンマーのヤンゴン工科大学およびマンダレー工科大学の46名の学生(博士後期課程4名、修士課程3名、学部39名)と教員5名の計51名が参加し、2020年12月14日~18日の5日間にわたりオンライン交流を実施しました。上記2大学では、JICA支援のプロジェクト「ミャンマー工学教育拡充プロジェクト」の中で半導体物性およびデバイスに関する研究が開始されています。本プログラム実施担当者はこのプロジェクトで数年にわたって年2回程度現地を訪れて教員および学生の指導を行ってまいりました。2019年12月に我が国の無償資金援助によりヤンゴン工科大学に一定の装置群を有する研究センターが設置され、翌年2月まで日本側教員により装置運転方法を指導しました。
本オンライン交流では、半導体関連で導入された、可視・紫外波長域の分光光度計、フーリエ変換型赤外分光高度計(FTIR)、真空蒸着装置、マスクアライナ―、走査型電子顕微鏡(SEM)を有機的に関連させた研究を若手教員や学生が立ち上げるために、当研究室で実際の研究例を見ていただき、また学生間の研究討論を行って研究の観点を育てていただくことを目的としました。
今回はオンラインでの実施で、ミャンマー側参加者を少人数のグループに分けることなく実施したため、実施の各項目に時間をかけることができました。特に加工プロセスとSEMによる構造観察およびFTIRによる赤外分光に重点を置きました。説明を詳細にし、ウエブカメラを用いた近い距離での作業の観察を全員ができたため、各自が詳細に状況を把握することもでき、多くの質問を受けました。作業過程における待ち時間に、実空間の移動なくチュートリアル講義を挿入することもでき、時間を有効に用いることもできました。また参加人数に制限がなかったことから、低学年の学部学生の参加も多く、本分野に興味を持っていただくことができたようです。学生間の討論も活発に行われ、両国学生がオンラインでも意識を共通化することができたように感じました。来年度COVID−19が沈静化し、多くの学生が渡日による活動を希望していただけることを期待します。
本交流にはJSTおよび千葉大学の多くの方のお世話になりました。感謝申し上げます。