2021年度 活動レポート 第56号:長崎大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第056号 (オンライン)

ベトナムの水環境汚染に対する高度水処理技術の可能性を学ぶ

長崎大学大学院工学研究科国際水環境工学コースからの報告

 長崎大学大学院工学研究科国際水環境工学コースは、令和4年1月12日にベトナム国家土木大学環境工学部の15名(教員2名、学生13名)とZoomを通して、「ベトナムの水環境汚染に対する高度水処理技術の可能性を学ぶ」と題したオンライン交流を実施した。

 ベトナムでは特に都市部において、未処理の都市下水の放流による河川水汚染や、河川水量低下に起因した海水遡上による河川水への塩水混入が頻繁に起こっており、水道水水源の水質悪化が深刻化してきている。日本が世界トップの技術力を誇る「逆浸透膜」は水中の不純物を徹底的に取り除くことが可能な水浄化技術である。そこで、本交流事業において、ベトナム北部最高位のベトナム国家土木大学の学生を対象にして、日本の最先端膜処理技術の知識と理解を深めてもらうことで、本コースへの修士課程への入学や日本企業への就職など将来の再来日、また将来母国で水道事業に携わる際に日本企業と連携してプロジェクトを進行するきっかけにすることを趣旨とした。

 本オンライン交流では、大学教員からの講義を通して膜分離技術全般を学ぶ機会を設けた。具体的には、膜分離技術の基礎、精密ろ過・限外ろ過膜法、ナノろ過・逆浸透膜法に加え、膜分離技術を利用した下水の飲用再利用の事例と課題についての講義を行った。参加した学生は基礎的な環境分野の知識を持っていたことから、膜分離技術を利用した水環境の改善について十分に理解していることが感じられた。さらに、参加した学生の多くはベトナム国家土木大学ですべての単位を英語で習得するプログラムに所属しており、流暢な英語を使って具体的な質問をしてきたため、特に各技術の課題に対する議論も深まった。ただし、実際に複雑な内部構造の製品を触って学ぶ機会はオンラインでは難しかったため、一部の技術の説明(および学生の理解)は非常に難しかった。この点でオンライン交流の限界を感じた。

 講義に加えて、日本企業2社(協和機電工業株式会社、株式会社フソウ)で働くベトナム人技術者から、就職までの経緯・企業内での仕事内容・日本における生活についてのプレゼンを実施した。両企業のベトナム人技術者から、参加した学生に専門分野を深めることの他に、特に語学(英語および日本語)の勉強の重要性に関して強いアドバイスがあった。参加者は、日本におけるベトナム人の仕事や生活について非常に関心を持っているようであり、企業からの具体的なプレゼンは将来の日本への進学や就職に役立つと思われた。今回のオンライン交流は、参加者の知識だけでなく将来の進路にとって非常に有意義なものであったと感じられた。最後に、本事業の遂行に多大なご協力いただいた関係者(協和機電工業株式会社、株式会社フソウ)の皆様に厚くお礼を申し上げる。

活動レポート写真1
参加者の集合写真
活動レポート写真2
日本企業に勤めるベトナム人技術者からの経歴説明
活動レポート写真3
ベトナム人技術者による日本企業における仕事内容の説明