2021年度 活動レポート 第10号:埼玉大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第010号 (代替オンライン)

中国・大連理工大学との交流事業

埼玉大学からの報告

埼玉大学と中国・大連理工大学は1991年に大学間協定を締結し、埼玉大学にとって2番目に古い大学協定となっている。建設系の堀川清司(海岸工学)元学長(当時教授)も大きく貢献し、大連理工大学の建設工学部と埼玉大学環境社会基盤国際コースとの間では、毎年、学生間の交流と教員間の交流が行われている。

2017年には党准教授が大連理工大学を訪問し、研究発表を中心とした交流を行った。2018 年には大連理工大学の Cui 先生が学生 10 名を引率して埼玉大学を訪れ、学生の研究発表や埼玉大学建設学科の各研究室の最新の研究紹介、大連理工大学の学生から大学の紹介、学生同士の交流が行われた。2019 年には大連理工大学の創立70周年記念イベントに、埼玉大学から9名が大連理工大学を訪問し、学生間交流などを行われた。その後、埼玉大学の教員5名が大連理工大学に訪問して、第1回のジョイントセミナーを実施した。

ジョイントセミナー後の会談において、将来的な両大学の共同教育と共同研究を展開することを計画しており、その計画の一環で、2020年度に埼玉大学で第2回ジョイントセミナーを実施する予定であったが、コロナ禍のため、2021年11月5日~6日に、両大学の⼤学間学術交流協定締結 30 周年記念式典、ジョイントセミナー、さくらサイエンスオンライン交流を実施した。

11月6日はさくらサイエンスのオンライン交流として、午前中はAI Workshop、午後には実験室見学と特別講義が実施された。埼玉大からルアン先生、Goit 先生、Malik 先生、加藤先生と党先生の教員5名がグループモデレーターとなり、学部生、大学院生計 13 名が参加し、大連理工大学からは学生 42名の参加があった。

AI Workshop ではまず、党先生がAI の基礎知識と最近の土木分野への応用について説明を行ない、その後、下記の5つのキーワードでBreakout Sessionで部屋を分けてグループディスカッションを行なった。

  • Structural Design (Dang)
  • Material Strength (Luan)
  • Damage Inspection (Malik)
  • Earthquake Warning (Goit)
  • Road Planning (Kato)

大連理工大学の学生は現地の教室に集まり、埼大生ではオンラインで参加した。最初に各参加者が自己紹介を行い、議論を行った。その後、メイン会場に戻り、各グループより討論内容について発表を行った。大連工科大学の1年生にとって、英語で議論し発表する機会はまだ少ないようで、そのため、発表時間のコントロールが予想より難しく、時間もだいぶ超過したが、皆さんが一生懸命考えて、説明している様子から、今回のワークショップは貴重な成長に繋がっていくのではないかと思われた。

AI ワークショップでのグループディスカッション
発表準備の様子

午後は2時からオンラインでの実験室見学を行った。大連の会場と埼玉大学の実験室をオンラインで繋げ、リアルタイムで実験室を紹介した。昨年度は構造実験室を紹介したが、今回は材料実験室で、繊維補強コンクリートの引っ張り実験について紹介した。

その後、特別講義として、大林組の武田氏を講師として迎え、ブレーキダンパーについて、その特徴、作動の原理、検証のための振動台実験、実橋梁への応用について講演していただいた。

武田氏(大林組、左上)によるブレーキダンパーに関する特別講義