2021年度 活動レポート 第9号:大阪大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第009号 (オンライン)

持続可能な産業社会の実現に貢献する日本の発酵技術
~探索・育種から品質管理まで~

大阪大学生物工学国際交流センターからの報告

大阪大学・生物工学国際交流センターでは、アジアの7か国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、モンゴル、台湾)から、学生や若手教員など約120名を招き、わが国の発酵製造技術の歴史と最新の研究事例を紹介するためのオンラインワークショップを2021年11月15日~16日の日程で開催しました。発酵製造技術を支えるサイエンスを学ぶとともに、基礎学術的な知見がいかにして産業の場で利用されるのかを知る機会を提供することができました。

初日

大阪大学・麹菌ゲノム育種工学講座の楠本憲一教授より、「Science of koji mold and Japanese traditional fermented food」と題した講義が行われました。わが国の「国菌」である麹菌について、これらが発酵食品製造で果たす役割とその分子メカニズムについての解説が行われました。

楠本教授の講義風景

続く講義では、アサヒクオリティアンドイノベーションズのYohanes Novi KURNIAWA博士より、「The unlikely foe: Lactobacillus spp.」と題した話題提供が行われました。KURNIAWA博士は、大阪大学で博士号取得後、現在の所属先に勤務された経歴の持ち主です。講義では、留学生として日本で学び、日本企業に就職したご自身の経験についてもご紹介いただきました。

2日目

2日目はまず、大阪大学・生物工学国際交流センターの木谷 茂准教授より、微生物による抗生物質生産についての講義が行われました(講義タイトル:What are antibiotics produced by microorganisms?)。さまざま抗生物質の分類や作業機序など、当該研究分野を幅広く俯瞰するお話が提供されました。

最後に、大阪大学・工学研究科のプトリ助教より、「Quality improvement of Asian fermented food: a metabolomics approach」と題した講義が行われました。メタボローム技術を用いたさまざまな食品の品質評価について、テンペなど東南アジア諸国で生産される発酵食品を例にしながら紹介いただきました。また、ご自身が留学生として大阪大学で学んでこられた経験を踏まえ、日本への留学に興味をもつ参加学生へのアドバイスもいただきました。

2日目の講義風景(木谷准教授)
2日目の講義風景(プトリ助教)

一連の講義の最後にオンライン学生交流会を実施しました。交流会は、ワークショップへの参加者のうち、海外留学に興味をもつ学生、約70名を招いて実施しました。本交流会には、大阪大学に在学中のアジア諸国からの留学生7名がホストとして参加しました。Zoomのブレークアウトルーム機能を用いたグループトークで、それぞれのホスト学生から研究と日常生活の紹介を行っていただいたあと、海外留学に関するQ&Aを通じて親睦を深めました。

オンライン交流会での記念撮影

長引くコロナ禍の影響で、さくらサイエンスプランでも実際の招へいがかなわず困難な状況が続いています。一方でオンラインの交流事業には、より多くの参加者にリーチしやすいという利点もあります。これらをうまく併用し、わが国のサイエンスや日本留学の魅力を効果的に伝えていくことが、ポストコロナ時代の国際交流の在り方になると考えています。