2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第002号 (代替オンライン)
タイ・タマサート大学シリントーン国際工学部(SIIT)とのオンライン交流
東京都市大学からの報告
この交流は2020年度採択分のプログラムとして計画していたが,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け,今年度に順延となり,さらに予定していた時期には対面の実施が不可能と判断されたため,オンラインでの実施となった。このような国際交流プログラムをオンラインで実施した経験がなかったため,実施プログラムの確定に至るまでにはある程度の時間を要したが,日本に行きたい気持ちを喚起する点と,両機関のつながりをアピールする点を重点に置いてプログラムを構成した。また多数の参加者を一度に招けるオンラインのメリットを生かすため,シンポジウム形式の開催としてSIIT側に開催の告知を行っていただいた。
参加者:SIIT側:学生参加者51名,教職員5名
東京都市大学側:学生参加者11名,教員9名
プログラムの冒頭では,まず両大学の代表にご挨拶をいただいた。すでに両大学を含む5大学間の協定により,留学を含む国際交流プログラムの枠組みを実施しているが,このさくらサイエンスプログラムでは,これまでに多くの学生が本学を訪れており,その重要性に言及するコメントが寄せられた。
次に両大学の沿革の紹介と,本学が実施している留学生受け入れの制度紹介を含む国際プログラムについての説明を行った(写真1)。特にここで説明した奨学金制度を利用して本学に留学中のSIIT出身学生のプレゼンテーションがこの後のプログラムに組み込まれていることから,これらをセットで紹介することにより,SIIT学生の興味を喚起することができたのではないかと考えている。
次に,都内2カ所に学生を派遣してリアルタイムにレポートしてもらうバーチャルツアーを行った(写真2)。この企画はコロナ禍で国外渡航が難しくなっている現状を踏まえ,日本への渡航意欲を喚起しようと考えたものである。場所は外国からの旅行者に広く知られている浅草と,理系の学生の興味をそそる秋葉原である。ポータブルWiFiで接続しながら徒歩で街を紹介して歩く企画であり,途中通信が途絶するトラブルがあったものの,リアルタイムに東京の街を散策したような感覚になっていただいたようで,チャットには多くの好意的なコメントが寄せられた。
これに続くコンテンツが,今回の企画の目玉である,SIIT出身の留学生2名による近況レポートであった(写真3)。現在行っている研究についてだけでなく,日本での生活や食べ物など,留学生活全般についての報告がなされ,その充実した雰囲気が参加者に伝わったのではないかと考えている。
最後に今回申請した交流計画の一部である,都市工学分野と情報・通信分野における交流を行った(写真4)。2つの部屋を用意してパラレルセッションとして実施し,両大学からそれぞれ分野の学生に研究成果を発表してもらってディスカッションを行った。合計7名の学生が発表を行い,両大学の教員も参加して研究分野に関する情報を共有した。
以上のような内容で,無事3時間半のプログラムは終了した。多数のSIIT学生に参加してもらい,また多くの好意的なコメントが寄せられ,企画は成功であったと考えている。今回の企画で多くのSIITの学生に,本プログラムを知っていただいたのではないかと考えている。今後も是非継続的にさくらサイエンスプログラムによる学生の招へいを行い,優秀な学生が日本に留学してもらえるよう,啓蒙活動に努めてゆきたいと考えている。