2020年度 活動レポート 第73号:東北大学

2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第073号 (代替オンライン)

中国・厦門大学とのオンライン交流会

東北大学 環境科学研究科 先進社会環境学専攻からのレポート

2021年1月18日~21日の4日間の日程で、東北大学と中国・厦門大学との間でオンライン交流会を行った。厦門大学の学部生・院生13名と教員1名と東北大学環境科学研究科駒井・渡邉研究室学部生・院生12名と教員2名が参加して行われた。東北大学と厦門大学の間には2005年より大学間協定が締結されている。その一環として、JSTさくらサイエンスプログラムの支援を受けてオンライン交流会を実施した。

土壌汚染はストック型の汚染と言われ、持続可能な都市作りのためには、経済的かつ実効性の高い対策の実施が求められる。このような共通する土壌汚染の諸課題を日中双方の教育機関の教員や学生がオンラインで交流し、双方向の教育、研究を実施したことは国際的な視野からも重要であり、数多くの教育および研究の成果を得ることができた。特に、土壌環境問題に関わる企業や自治体、教育機関などの取材を通じて独自に作成した動画の配信をはじめ、両国の学生間でのグループ討論や意見交換などのアクティブな交流が実現でき、双方にとって極めて有意義な交流活動となった。

「今後の展望」

東北大学と厦門大学の間には大学間協定が締結されているが、今後は今回の交流実績を生かして環境系の部局間の協定を視野に入れて交流をさらに深め、学生の交流や留学、共同の教育プログラムを推進する励みとなった。具体的には、東北大学が独自で展開している国際環境リーダー育成プログラムに厦門大学の学生2名が応募し、修士課程への留学が予定されている。さらに、今回のオンライン交流を通じて、両国で大きな課題となっている土壌汚染のサステナブル・レメディエーション技術に関して国際共同研究を実施することで合意し、JSPS国際共同研究事業などに共同で研究課題を申請することが取り決められた。

今回のオンライン交流では、オンラインのウェブ環境の優位性を生かして、オンライン授業や講演会、グループ討議などのアクティブな教育スタイルを実施することができた。一方では、合同での実験操作や国際論文の作成などに当たっては、やはりオンラインでは制約があるため、今後は実地に交流して実験などの共同作業を含めて双方の教育・研究のレベルをさらに高めていきたい。また、将来的にはタイやインドネシアなどのアジア内の大学との交流を計画しており、次年度のさくらサイエンスプログラムの公募事業に再度応募して交流を進めていきたい。

オンライン交流会の様子
グループ討論の様子