2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第070号 (オンライン)
Discover電気電子~電気の大切さ・面白さをマレーシアの高校生が体験
足利大学からの報告
2021年2月24日から26日、および3月3日の4日間、マレーシア・ペナン州の高校生を対象に、2019年12月に実施したプログラム(“マレーシアの高校生が先端電気電子技術を体験”:2019年度活動レポート一般公募コース第400号)のフォローアップ講義をオンラインにて実施しました。
今回のプログラムは、前回のワークショップを踏まえ、より発展的な内容を学習してもらうとともに、前回のプログラムをきっかけに生まれた交流をより深化させることを目的としました。
2月24日
開講式、オリエンテーションの後、佐藤義久特任教授による、「再生可能エネルギーとパワーエレクトロニクス」に関する講義が行われました。佐藤特任教授は、パワーエレクトロニクスの基礎となるトランジスタの動作原理とその応用について解説し、回路製作および実験をオンラインで実演しました。また、再生可能エネルギーについて説明し、マレーシアにおける再生エネルギーの適用について宿題が出されました。
2月25日
前半は、上田伸治准教授による、「モータの高精度制御」に関する講義が行われました。上田准教授は、デモ動画をまじえながら、半導体製造装置やレーザ加工機で用いられるモータ制御に関する研究について講義しました。
後半は、山下幸三准教授による、「ものづくりと自然計測」に関する講義が行われました。山下准教授は、近年の汎用マイコンや3Dプリンタなどのものづくり分野での進展に伴い、従来は難しかった複雑な機器製作が簡単に行える環境が出来つつあることを紹介しました。さらに、雷雲観測を例に挙げ、新しい気象観測網構築に向けたものづくり事例について講義をしました。
2月26日
前半は、横山和哉教授による、「超電導技術とその応用」に関する講義が行われました。横山教授は、超電導技術について基本的な説明の後、技術が医療用画像診断装置(MRI)やリニア新幹線など実社会の様々な場面で応用できることについて解説をしました。
後半は、本学国際交流課による文化交流会「新しい国際交流」を開催しました。コロナ禍で国際的な人の移動が制限された状況でどのような国際交流ができるのかについて活発な意見交換が行われました。
3月3日
参加者によるプレゼンテーションが行われました。参加者は、前回までの講義で各教員から出された課題についてプレゼンを行いました。その後、閉講式が行われ、4日間のプログラムが終了しました。
今回のプログラムは、オンラインでは初めての試みであり、参加者の理解度など様々な不安がありました。しかし、実験動画の製作など担当の先生方の工夫、参加者の高い意欲のおかげで成功裏に終えることができました。
お忙しい中、講義を引き受けてくださった先生方、このような交流の機会を設けてくださった科学技術振興機構の皆さんに感謝いたします。