2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第066号 (オンライン)
国立台湾大学とゲノム解析による疾患予防共同研究プログラムを実施
大阪医科薬科大学からの報告
大阪医科薬科大学では、コロナ禍によって対面交流の実施が難しくなったため、2019年度採択課題「アジア高齢者社会における口腔内細菌叢ゲノム解析と循環器疾患予防プログラム」を深化させ、「ゲノム解析による疾患予防共同研究プログラム」を国立台湾大学医学部歯学研究科とオンライン開催した。
国立台湾大学医学部と本学は、3つのステップを用いて「アジアをけん引する次世代医療者育成」を共同で目指している。2019年度に第1ステップとして、科学技術体験コース(Aコース)を活用し、本学の産官学連携プログラムと研究の紹介、共有及び本学教員との共同研究のマッチングを行った。これを契機に、共同研究プロジェクトを立案し、今年度に双方の研究室を訪問し、共同研究について本格的に検討する予定であったが、コロナ禍の影響によってかなわなかった。
今回のオンライン交流では、第2ステップの共同研究を具現化するため、昨年度のプログラムを踏まえて、2部構成のプログラムを行った。1部「研究設備、実験方法の解説及びデモ実験」では、小型シークエンサーを用いた迅速解析のデモンストレーションと解析解説を行った。解析デモンストレーションは2日にわけて行い(2月26日及び3月5日)、昨年度の解析講義では取り扱えなかった小型シークエンサーの有用性について理解を深めた。第2部「オンライン講義及び研究成果発表会」では、本学からゲノム解析の手法についての講義、国立台湾大学からゲノム解析の活用についてそれぞれ教員が講義を行った。また、昨年本学に招聘した大学院生の口腔内細菌叢ゲノム解析の研究成果発表を行い、研究指導を行った。さらに、本学がすでに実施しているゲノム解析によって明らかとなった疾患と口腔細菌の関連についての研究成果を共有し、医歯生物工学の連携による共同研究の立ち上げについて協議した。具体的には、研究データの共有を行い、国際比較研究を共同で行う研究者間の交流推進案が出された。また、教育面では、国立台湾大学の大学院生が本学においてゲノム解析の手法やデータ分析について指導を受けるための、長期留学案が出された。
今回のプログラム実施により、アジアの次世代を担う医療者育成のプログラムをさらに推進することができた。このような機会を与えてくださったさくらサイエンスプログラムに深く御礼申し上げる。