2020年度 活動レポート 第60号:日本マレーシア協会

2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第060号 (オンライン)

マレーシア・イスラム大学とのSDGsに関する交流

公益社団法人日本マレーシア協会からの報告

日本マレーシア協会は、1990年代から熱帯林が失われたボルネオ・サラワク州の先住民居住地域において持続可能な地域社会つくりを目的に熱帯林の再生活動をしてきました。活動においては、国連が勧める「持続可能な開発のための教育(ESD)」にある国際理解教育、人権教育や持続可能な発展に関わる能力を有する人材の育成を目指してきました。その一環で、2014年度からさくらサイエンス事業に取り組み、今回のオンライン交流で8回目となります。研修は、2019年度にマレーシア・イスラム大学(International Islamic University MALAYSIA : IIUM) を対象に、持続可能な河川流域構築に必要な科学技術を学ぶ」として九州北部で実施した研修の継続として実施しました。

研修は、当協会とIIUMとが主催し、福岡大学および福島大学の共催で、福岡大学とIIUMとは3月2日に、福島大学とIIUMとは3月4日に交流しました。

最初に福島大学の三浦浩喜学長や福岡大学とIIUMの代表挨拶があり、その後は学生の進行と司会で交流が進められ、最初に映像を用いて各大学の紹介がありました。その後、①IIUMから取り組みが進んでいると評価されているSDGs教育と研究の現状と学生たちによる社会活動の報告があり、②福岡大学からは資源循環型社会づくりと大学も参加して開発し、現在東南アジアで採用されている準好気方式の最終処分場の講義と日本の人口構成と自然災害および持続可能なエネルギーを考えて取り組んでいるコンパクトシティーつくりなどの持続可能な都市づくりの講義に続いて大学院生から熱帯地域でのヘビ毒の研究報告などがありました。③福島大学からは、SDGs教育と研究の紹介、2011年の福島原発事故で放射能汚染を受けた農地の再生と持続可能な農村開発に関する講義および県内各地で地域住民や学生等とが交流しながら活動しているFukushima Ambassadors Programの紹介がありました。

続いて、学生達のSDGsに関する質疑が交わされて交流を終え、その後は数班に分かれてZOOMを使った自由な交流を学生たちは和やかに楽しんでいました。なお、IIUMは、この交流を授業に関連づけていてラインには多くの学生が参加していました。

一方で、日本の学生たちとマレーシアの学生たちには語学力とITリテラシーの格差も感じました。これを契機に、日本側の大学とIIUMとで学生交流や研究交流などの学術交流を目的にした協定(MoU)締結の話し合いが始まりました。また、今回の経験から国境を越えてLINEを用いて共同で授業をするCOIL(Collaborative Online International Learning)実践の可能性も感じて相談も始まりました。

日本の学生たちは、初めて経験したLINEによる英語での交流で言葉の重要性を実感するとともに、LINE活用による国際交流の可能性と楽しさも味わい貴重な経験になったようです。当協会としましても、これまで実施してきた現地での活動にオンライン活動も組み合わることは効果的であることを実感しました。

福岡大学が制作したプログラムの動画
https://youtu.be/OQlBkSpEGWs

福岡大学キャンパスツアー
https://youtu.be/gGq66dTvuHI

福島大学が制作した三浦浩喜学長の挨拶映像
https://youtu.be/7dQzdN1GJ-I

活動レポート写真1
福岡大学とマレーシア・イスラム大学学生が司会進行
活動レポート写真2
交流中の様子
活動レポート写真1
福島大学三浦浩喜学長の挨拶