2020年度 活動レポート 第59号:東京農工大学

2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第059号 (オンライン)

中国の農業大学とオンライン交流を実施

東京農工大学 農学研究院からの報告

「さくらサイエンスプログラム」により、令和2年12月7日から2月26日まで中国・湖南農業大学および華中農業大学とオンラインで、昆虫に感染するアスコウイルス(アスコウイルス科)の宿主制御機構に関する研究を中心に交流を行った。

アスコウイルスは、昆虫のみに感染する二本鎖DNAウイルスであり、野菜などの害虫に感染する。そのため、微生物天敵であることから生物的防除資材として利用できる可能性があるが、宿主である昆虫を制御するしくみについてはその多くが未解明である。日本で分離されたアスコウイルスと中国で分離されたアスコウイルスが近縁なこと、また、宿主制御のしくみを解明するという共通の研究目標を共有していることから、今回の共同研究につながった。

今年度のオンライン交流会については、東京農工大学に保有する機材を用いた実験手法を動画で撮影し、それを事前に中国側に試聴していただいた。

12月7日~1月12日

共同研究の進捗状況共有のための打ち合わせ、実験と動画撮影および編集作業を行い実験手法についての動画を事前にDing Talk Liteで配信した。

1月12日および1月14日

ワークショップ実施(実施機関主催)

主に、アスコウイルス感染昆虫細胞のアポトーシス応答についてフローサイトメトリーを用いた実験結果を日本側が発表し、中国側がそれについて質問してデータ解析に関する議論を行った。

1月20日

第一回 今後の共同研究に関するディスカッション

Ding Talk Liteでオンラインによる研究交流会を行なった。

2月26日

第二回 今後の共同研究に関するディスカッション

今後の研究計画についてDing Talk Liteでオンライン会議を行い確認した。

農工大保有の機器フローサイトメトリーを用いたアポトーシス細胞の検出のための試料作製方法を撮影し動画に編集した。手法と同時に原理も説明し、この実験に関する理解が双方向で深まった。
上記と同様の動画を合計4本作製した。写真は、昆虫ホルモン測定のための体液の採取方法を紹介している。
1月20日に開催されたオンライン交流会の様子。Ding Talkを使用して交流した。