2020年度 活動レポート 第58号:筑波大学

2020年度活動レポート(一般公募プログラム)第058号 (代替オンライン)

ブラジルの医療機関とCOVID-19に関する研究・治験を共有

筑波大学附属病院・国際医療センター

筑波大学附属病院・国際医療センターでは、さくらサイエンスプログラムの採択を受け、令和2年11月~令和3年3月までの期間に全2回のオンラインセミナーをブラジル・サンタクルス病院およびサンタクルス学術研究所(IPESC)との間で開催しました。

このオンライン交流では筑波大学附属病院の医師とブラジル・サンタクルス病院の医師およびサンタクルス学術研究所研究員の間で、多診療科にわたる症例研究発表や今般、世界的規模で感染拡大しているCovid-19の両国の診療と取り組み事例等を発表し、両機関の医療交流をはかりつつ相互の研究や知見を共有し、共同研究の端緒を見出すことを目的としています。

第1回セミナーは令和2年11月20日(金)に開催し、在サンパウロ総領事代理からのご挨拶も頂戴しました。はじめにPart 1の本院側の発表として、「本院におけるCovid-19対応について」と「局所進行膵癌に対する3集学治療(温熱+陽子線+化学療法)」の演題で、平松祐司 副病院長と小田竜也 消化器外科教授より発表がありました。

Part 2のサンタクルス側の発表では、「サンタクルス病院におけるCovid-19対応について」「今後の共同研究にむけて1(眼科)、2(IPESC)」の演題で長谷川レナト技術医長と又吉スザナ医師、木村ルイス理事より発表いただき、両機関それぞれで研修をした医師達が久しぶりに親交と知見を深め、今後の研究についても話し合い、それぞれの無事と直接交流が叶う日を祈り終了しました。

第2回セミナーは令和3年3月5日(金)に開催し、Part 1に「両機関の今後の交流にむけて」と題し、SSP派遣者代表としてDr. Eduardo Yukio TANAKA医師より当院で学んだ陽子線治療についての発表があり、さらに、西国幸四郎医師(送出し機関SSP代表)から、今後の発展的交流についての提言をいただきました。その後の質疑応答として、当院側より櫻井英幸 放射線腫瘍科教授より発表があり、今後の発展交流が具体化されました。

さらに、Part 2では両整形外科・木村ルイス医師と小川健医師から「キーンベック病」の症例発表が行われ、相互の交流を深めました。それぞれに今後の発展的交流や共同研究の端緒を見出せる大変有意義なセミナーとなり、オンライン交流の有用性を改めて感じることができました。このような素晴らしい機会を提供いただいたJSTさくらサイエンスプログラムに心より感謝申し上げます。

和やかにセミナースタート
ブラジル側の発表を聞く平松祐司副病院長と小川健整形外科准教授