2019年度活動レポート(一般公募コース)第444号
カーボンナノチューブ複合電極を用いたセンサならびに微生物燃料電池の開発に関する国際共同研究プログラム
佐賀大学理工学部化学部門
電気化学研究室(冨永研究室)からの報告
概要
2020年1月21日から1月30日の10日間、インドネシアのカリマンタン工科大学の教員のGusti Umindya Nur Tajalla先生と学部生のAnsita Fitri Budi Hartantisさんならびに、スラバヤ工科大学の学部生のRivaldo Zamaraさん、タイのチュラロンコン大学の大学院生のLao-Atiman Woranuntさんの4名が、理工学部化学部門電気化学研究室(冨永 昌人教授)において、共同研究活動と体験プログラムを実施しました。また、日本文化の視察や佐賀市のバイオマス産業への取組についても学びました。
共同研究活動
単層カーボンナノチューブ複合電極を作製し、その界面上にコバルトナノ粒子を修飾したリン酸センサの開発を進めました。インドネシアでは河川水の汚染が深刻で、環境センサの開発は今後重要になると思われます。さらにその電極を用いたセンサ開発を行いました。また、ガス拡散電極にナノカーボンを用いた微生物燃料電池の作製も実施しました。
プログラム最終日には、4名の招へい者が、母国大学での研究や本プログラムでの成果について、英語による各20分程度のプレゼンテーションを行いました。日本人学部生・大学院生も、各自の研究内容を英語で5〜10分間にまとめて紹介しました。
体験プログラム
25日(土)に、熊本市街を訪ねて、2016年4月の熊本地震で被害を受けた修復中の熊本城や水前寺成趣園などを視察しました。28日(火)には、佐賀市エコプラザを視察しました。招へい学生は佐賀市のバイオマス産業都市への取組について深く感銘を受けていたようでした。また、佐賀城本丸歴史館を視察して日本と佐賀県の歴史について理解を深めてもらいました。
学部長の表敬訪問
留学生所属のカリマンタン工科大学、スラバヤ工科大学、チュラロンコン大学工学部は大学間・部局間協定校にあたるため、来日後直ぐに理工学部長を表敬訪問をしました。
日本人大学院生の感想
本プログラムを支援してくださった大学院生からの感想です。
◆SN(M1)さん:
自分の実験を英語で外国人に教えることは、実験の内容を改めて深く理解すること、分かりやすく伝えることを学ぶ良い機会でした。また、外国の文化や考え方の違いなどを知ることができました。自分にとって大きく成長できる体験だったと思います。
◆SN(B4)さん:
今回のさくらサイエンスは、自分の研究について初めて他人に教える機会でした。短時間で重要なことを英語で伝えるというのは難しかったのですが、以前より知識を深めることができました。実験外でも交流を深め、異文化の方々への対応や英語を学ぶことができる機会でした。
最後に
帰国前日に修了証書の授与式を執り行いました。送別会は、水炊き・たこやきパーティーでお互いの友情を深めました。
最後に、本プログラムを実施するにあたり、ご協力いただきました本学の事務職員の皆様ならびに多大な貢献をしていただいた研究室の学生皆さんに心から感謝いたします。ご支援をいただきました「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。