2019年度 活動レポート 第437号:島根大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第437号

ユネスコチェア・島根大学自然災害軽減フィールドスクール 参加プログラム

島根大学からの報告

令和2年2月9日〜16日、島根大学松江キャンパスにおいてユネスコチェア「島根大学自然災害軽減フィールドスクール」が開催されました。このフィールドスクールへの参加者の一部を、さくらサイエンスプログラムならびに島根大の支援を受けて招へいしました。内訳はネパール・トリブバン大より10名、インドネシア・ガジャマダ大より3名、キルギス・U.Asanalievキルギス州立地質鉱山天然資源開発大より3名の合計16名です。

10日午前のオープニングセレモニーを皮切りにスクールが開始となりました。文化遺産地域の災害リスク、過去の火山活動の履歴解読、災害早期警戒システム、地震に起因する地すべり等、多彩な内容の講義が参加者を出迎えました。参加者は前日に松江に着いたばかりで、長距離移動の疲れや時差ぼけがある中での受講でしたが、自国では普段耳にすることのできない講義内容に、熱心に耳を傾けていました。

講義室での参加者の様子

10日の夕刻にはウェルカムパーティを開催しました。20万年前に噴火した火山からなる島にある庭園で、参加者たちは時に火山を学びながら、時に初めての食べ物に戸惑いながら、本格的な日本食に舌鼓を打ちました。

2月11日・12日は野外巡検を実施しました。まず出雲大社を参拝し、スクールの成功と将来の幸運を祈願した後、世界遺産・石見銀山、活火山である三瓶山を訪れ、活断層や火山噴火の履歴と自然ハザードについて学ぶ野外巡検を行いました。インドネシアからの参加者にとって、火山は身近なものですが、ネパールやキルギスからの参加者にとっては火山とそれに関係する自然現象・災害は目新しいもののようで、元気いっぱい、巡検を楽しんでいました。雪の残る三瓶山では、初めて本格的な雪を目にしたネパール、インドネシアからの学生さんたちは普段、体験できない自然を大いに満喫していました。

石見銀山周辺での野外巡検
12日の昼食時、突如現れた雪だるまと三瓶山

2月13日と14日の午前は火山、地すべり、津波、災害に対する社会対応など、多彩な内容の講義を受講しました。14日の午後は島根県東部を流れる斐伊川の洪水対策のための2施設(斐伊川放水路・志津見ダム)を見学しました。どちらの施設も日本が誇る先端的な防災施設で、学生の皆さんは目を輝かせながら説明に聞き入っていました。

斐伊川放水路の管理棟の見学

15日はすべての講義の後、学生によるグループ発表会を行いました。3時間ほどの準備の後、巡検・講義で印象に残った内容、スクールで学んだ内容を今後の研究や自国での防災にどう役立てるか、などが熱く語られました。

グループ発表の準備風景

最終日となった16日、松江市内の文化体験ツアーに出ました。国宝に指定された松江城やお堀の遊覧を参加者達は楽しみました。夕刻に出発空港である米子空港へ移動。そして参加者は別れを惜しみながら帰国の途につきました。最後に今回の交流に支援頂いた「さくらサイエンスプログラム」に感謝を申し上げると共に、このイベントの実施を陰で支えて頂いた島根大関係者、見学を受け入れて頂いた施設の方々に心より御礼を申し上げたいと思います。