2019年度 活動レポート 第411号:山梨大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第411号

マレーシア・ペルリス大学の大学院生との技術交流および大学間国際共同研究の実施

山梨大学大学院総合研究部
西崎 博光さんからの報告

2020年1月26日から2月15日までの3週間、マレーシア・ペルリス大学の大学院生10名と教員1名を招へいし、IoT(モノのインターネット、Internet-of-Things)関連デバイス(画像・音・大気などのセンサー)から得たセンシングデータを、ディープラーニング(深層学習)や画像処理等の人工知能関連技術を用いて分析する技術に関して、山梨大学の学生や教員らとの技術交流および国際共同研究を実施しました。

本プログラムでは、第1週目にディープラーニングおよび画像処理、IoT、センサーデバイスに関しての技術交流として、セミナーを実施しました。ディープラーニングのセミナーでは、基本理論から応用技術にいたるまでを、3日間に渡って講義と実習形式で行いました。ペルリス大学の学生らは興味深く聴講し、講師らと熱心にディスカッションを行いました。

ディープラーニングセミナーで講師の話を熱心に聴く学生ら

一方で、ペルリス大学のDr.Ammar Bin Zakaria氏によるセンサー・IoTのセミナーを実施しました。ペルリス大学では、様々なセンサー・IoT関連技術を開発して実際に運営されており、センシングデータを収集する豊富な経験を持っておられます。これらの経験を踏まえ、IoT・センシング、これを活用するスマートシティの研究例を紹介して頂きました。山梨大学からは「超スマート社会国際研究ユニット」に所属する教員や、学生らが参加し、熱心に耳を傾けていました。センサー実習では、ペルリス大学の学生が実際のセンシングデバイスと無線装置を使って、山梨大学の大学院生や教員に対して熱心に指導してくださいました。

IoT・センサーセミナーで講演しているペルリス大学のDr. Ammar氏と聴講している日本人学生

滞在1週目の最終日には、ペルリス大学の大学院生に取り組んでいる研究紹介をしてもらいました。その内容に基づき、山梨大学の教員らと共同研究テーマについてのディスカッションを行い、日本滞在中に実施する研究内容を相談。そして2週目から共同研究を実施しました。最終日には、成果報告会を実施。実質の研究期間は約2週間弱と大変短かったにもかかわらず、研究発表ができそうな成果を出した学生、これからの学位論文の研究に役立つ成果を出した学生など、多くの学生が日本で学んだ知識を活かして成果をだされていたと思います。

成果報告会の様子

滞在中は、日本の文化や最先端技術を体験するために、富士山周辺エリアへのエクスカーションと山梨県立リニア見学センター訪問を実施しました。また、雪に触れたことのない学生ばかりでしたので、実際の雪に触れる体験も行いました。

雪の上をそりで滑る学生達

3週間の短い滞在でしたが、日本で学んだ技術を今後の研究に大いに活かしていただけることを確信しています。今後ペルリス大学とは継続的に共同研究を続けていくことを確認しました。また、「さくらサイエンスプログラム」を機会として、山梨大学とペルリス大学との間で博士課程の複数学位制度の調印を行うことができました。これによって、それぞれの大学の大学院生を相互に受け入れる体制が整い、益々技術交流が発展していくものと考えています。このような機会を与えてくださった「さくらサイエンスプログラム」に感謝申し上げます。

修了証授与後の集合写真