2019年度活動レポート(一般公募コース)第403号
材料工学における短期集中型研修プログラム
芝浦工業大学からの報告
概要
芝浦工業大学はさくらサイエンスプログラムによる助成を受け、2020年1月13日(月)から1月19日(日)の期間にて、インドのインド工科大学カラグプル校より学部生2名、院生8名、及び引率教員1名を招へいしました。プログラム期間中は本学の材料工学科、電子工学科、機械機能工学科の研究室活動を中心とし、その他に本学の教員による特別講義、本学学生との交流を伴ったキャンパスツアー、施設見学、都内見学、そして最終発表会を行いました。プログラム活動時間中には互いの学生が積極的にコミュニケーションを図るなど様々な角度から複眼的に日本の科学技術や教育制度を体感することができ、充実したプログラムとなりました。
オリエンテーション・キャンパスツアー・ウェルカムパーティ・文化体験
本プログラムは国際部職員によるオリエンテーションよりスタートしました。さくらサイエンスプログラムの趣旨説明や交換留学プログラム等の案内をした後、キャンパス内を回って施設紹介を行い、お昼には本学学生を交えてウェルカムパーティを実施し、学生間の親睦を深めました。
また、キャンパスツアーの一環で本学の免震装置を見学しましたが、インドは世界的に地震が発生しやすい国のため、招へい者の中には災害に関わる授業を履修した経験のある学生も多く、実際に免震装置を見学することで今後の研究に役立てたいといった声も聞くことができました。
研究室活動
本プログラムのメインとなる研究室活動では電子工学および機械機能工学科研究室を訪問しました。本学教授やティーチングアシスタントより各研究分野について説明を受け、材料工学科では医療・食品・農業といった様々な分野において、省資源・省エネルギーを可能にする次世代に展開可能な素材の開発や応用について学びました。
また、他の研究室訪問では本学のロボットやAIの研究がどのように社会の構造に対応できるのかを学ぶ事が出来ました。
施設見学
施設見学では本学学生の引率のもと日本科学未来館と高度技術社会推進協会(TEPIA)を訪れました。自分の専攻などにとらわれず、幅広い分野の日本の最先端技術を目で見て触れて学ぶことができ、終始興味深い面持ちで各展示を見学していました。日本科学未来館ではヒューマノイドロボットASIMOの実演や、Geo-Cosmos (ジオ・コスモス)に映し出される映像には強い興味を持ったようで、日本のテクノロジーの進化にとても驚いた様子でした。
最終発表
最終発表では、約1週間のプログラムを通して、主に研究室訪問や見学施設を通じて学んだこと中心に発表しました。プログラム中に学修した超伝導やロボットに関する技術や知識をどのように自身の研究に活かし同時に社会に貢献できるかなど、改めて将来的に自分たちがとるべき行動について考えさせられた内容となりました。
また、日本とインドの教育制度の違いや、本学や日本への留学に関して滞在期間中に感じたことや興味を持ったことについて、一人一人奥深い意見や感想を盛り込んだ、とても内容が濃く興味深い最終発表となりました。その後本学国際部より修了証の配布を行い、本学でのプログラムは終了となりました。
招へい者の感想一部抜粋
This program was not a mere tour for me, it was something very academic and rich with experience. The labs in SIT amazed me, the technologies implemented in every step amazed me, the systematic flow of life in Japan amazed me, everything about Tokyo that I saw, was amazing. I feel Japan is dexterous in the field of semiconductors and that is exactly what my field is. So I am definitely interested in coming for PhD or career here.
プログラム全体を通しての感想
研究室訪問や見学施設では質疑応答や意見交換が多く、招へい者一同真摯に取り組む姿勢が見受けられました。プログラム中には、本学の中長期受け入れプログラム制度に興味を持った招へい者に説明を個別で実施するなど、彼らの将来的な日本への留学意識を向上させる機会をいただきました。このプログラムを通じて最先端の技術や本学の研究に触れることでインドと日本の学生の互いの感性や知識を高めることができたと思います。