2019年度活動レポート(一般公募コース)第396号
接合・溶接のプロセスから材料、機構学における国際共同研究プログラム
大阪大学接合科学研究所からの報告
2019年11月27日~12月17日の3週間に渡り、さくらサイエンスプログラムの支援による海外学生の受け入れを行いました。今回は同じ期間で2回分の受入を一度に行いました。今回2回分の受入では、国立台湾大学(台湾)から2名、モンクット王トンブリ工科大学(タイ)から2名、インド工科大学ハイデラバード校(インド)から3名、マラヤ大学(マレーシア)から1名、ケランタン大学(マレーシア)から1名、上海交通大学から3名、北京工業大学から1名、天津大学(以上中国)から1名、朝鮮大学(韓国)から2名、ベトナム科学技術アカデミー(ベトナム)から2名の合計18名を招へいしました。
本招へいはさくらサイエンスプログラムの「共同研究コース」の招へいスキームを利用した受入でした。渡航前に各自の希望する研究テーマを当研究所における受入教官と協議し、受け入れ研究室の研究活動とのすり合わせの上、準備を進めました。必要な場合、来訪時には各自が自国で作成したサンプルや試験片を持参し、当研究所の機材を活用して実験、観察などを行いました。
3週間の滞在中、参加者はそれぞれ当研究所の田中研究室、近藤研究室、内藤研究室、伊藤研究室、井上研究室、西川研究室、麻研究室、阿部准教授の研究室に配属され、アーク溶接に係る現象、複合材料、組織解析、低温ろう付け、疲労予測計算などの研究に従事しました。
活動初日にはオリエンテーション及び本学吹田キャンパスの見学を行いました。また、その翌日には当研究所施設見学、及び受け入れを行う各研究室の研究紹介などを行いました。施設見学では、最新の観察、分析に係る共通機器、日本でも有数の性能が揃う各研究室の実験機材などを見学しました。見学のみならず、簡単な利用方法についても指導を受け、各機器の利用法や用途、そして施設の予約に係る内容まで活発な質問があり、熱心に施設見学を行いました。
各研究室の研究紹介については、自身が配属されるのとは異なる研究室の説明も受けることになりますが、当研究所の取り組みを知ってもらうこと、自分の専門と異なる分野についても知見を広げることで、自らの研究活動に一層の幅が持てるようになると感じています。
12月16日(月)には当プログラムの最終報告会を開催し、各参加者は3週間の研究報告を行いました。受け入れた研究室教員の他、研究室の学生の参加等もあり、盛況な最終報告会となりました。
実施後に受け取った参加者からのコメントでは、「日本の研究室の運用は適切に管理されていて、研究モチベーションが上がった」、「美しい季節に日本での生活を満喫できて大変楽しめた」、「自身の研究を見直す機会となった」など、多数のコメントがありました。
これまでも「さくらサイエンスプログラム」で受け入れた学生が自国に帰った後も連携を続け、当研究所滞在中に行った実験結果を基に国際ジャーナルへの投稿へ繋がるケースなども複数出ています。今回はさくらサイエンスとして初の送り出しとなる連携機関も複数あり、今後の連携の展開が期待されます。