2019年度活動レポート(一般公募コース)第384号
課題立県秋田における先端技術体験プログラム
秋田工業高等専門学校からの報告
秋田工業高等専門学校では、さくらサイエンスプログラムの支援により2019年12月21日(土)~2019年12月27日(金)の7日間、メキシコ・シンガポール・タイから合計11名を招へいし、先端技術体験プログラムを実施しました。秋田が抱える課題と先端技術による解決への取り組みを見て、聞いて、触れて、そしてその成果を参加者で共有することによって問題意識をもったグローバルエンジニアとなる糧として頂くこと、また招へい者と秋田高専の学生間の交流を深めることを目的としました。
プログラム第1日目オリエンテーションで滞在スケジュールなどを説明しました。第2日目には秋田県の風土とそこから生じる地域課題を理解するための文化体験ツアーを実施し、男鹿市なまはげ館、男鹿真山伝承館、里暮らし体験塾等を訪問しました。ツアーには高専学生も参加し、「しめ縄飾り」作りの協同作業などを通じ、招へい者と打ち解けることができました。
プログラム第3日目から第5日目にかけては、先端技術体験とワークショップを交互に行いました。
先端技術体験では、招へい学生の希望する専門分野に応じて各研究室に分かれ研修を実施し、モーション制御のためのセンシング技術(機械工学系)、画像認識によるロボット制御(電子・電気・情報系)、機械学習プログラミング(電子・電気・情報系)、堤防からのデータ採取実習(土木・建築系)などの実習に取り組みました。
また秋田市向浜にある秋田プライウッド(株)工場を見学し、合板製造で日本有数のシェアを誇る同社の間伐材の有効利用等による環境に配慮した先端技術の実際を学びました。
ワークショップでは、招へい者と高専学生が共同作業し、文化体験ツアー、フィールドワークで発見した秋田地域が抱える課題を整理するとともに、先端技術体験で学んだ技術を課題解決にどう結び付けるかの討論を行いました。
第5日目には秋田高専のメキシコ人教員によるキャリア講演会を行い、その体験談によって招へい者の日本留学を促しました。
先端技術体験とワークショップの成果は、第6日目の発表会で地域課題についての斬新な解決策の提案として披露されました。発表会に引き続き、閉講式で招へい者に校長から修了証が手渡されました。
本プログラムは秋田高専として初のさくらサイエンスプログラムによる招へいでしたが、招へい者には予想以上に意欲的に取り組んで頂き、様々の国の文化が融合した密度の高い時間を過ごすことができました。ご支援頂いたJSTを始め、ご協力頂きました全ての皆様に篤く御礼申し上げます。秋田高専としてはこれを機に今後とも本事業に積極的に参加し、より多くの学生に日本を知ってもらい、そして自分たちももっと深く日本を知ることができる機会にしたいと考えています。