2019年度 活動レポート 第383号:長岡工業高等専門学校

2019年度活動レポート(一般公募コース)第383号

モンゴル3高専と長岡高専との実践的ものづくり交流と先端技術視察

長岡工業高等専門学校からの報告

2019年12月8日(日)~2019年12月14日(土)の7日間 、モンゴル国のウランバートル市内にあるモンゴル3高専(モンゴル高専、モンゴル科学技術技大学付属高専、新モンゴル高専)からの10名の学生を長岡高専に招へいし、本研修プログラムを実施しました。本プログラムは本校の学生と一緒に行った「ものづくり交流研修」と「日本文化と最先端技術の視察」により構成されています。ものづくり交流研修は、エンジニアを目指す日本とモンゴルの同世代の若者に対して交流の場を提供し、両国の学生の科学技術に対する理解を深めさせることを主目的としました。

ものづくり交流研修

課題解決型学習として、今回は、日本で多発している大型台風や大規模地震による家屋倒壊に対して、モンゴル式ゲルを参考にした簡易住宅を、日本で簡単に入手できる安価な材料を用いて建設するための方法を検討し、3DCADによる簡易住宅モデルコンペティションを行いました。

具体的には、日本人とモンゴル人の混成チームを作り、各チームで3DCADによる簡易住宅の設計と、割り箸や厚紙などを用いてミニチュアの簡易住宅を作製しました。また、それらについて日本語、英語、モンゴル語を用いたプレゼンテーション形式の報告会を行いました。モンゴル人学生はゲルの構造について日本人に教え、日本人学生は台風や地震による家屋倒壊の事例をもとに、どのような材料を使用するのが適切かをグループ内で話し合いました。居住に必要な設備を考え、居住するためのスペースを確保しつつ、強度が不足しないように構造を工夫していました。

ディスカッション
発表会

また、異文化交流として茶道の体験をする時間も設けました。本校学生がお手本と説明を行いながら、お茶と茶菓子を味わいました。お茶に関しては「苦いけれど、おいしかった」、「ブラックコーヒーみたい」という感想を述べており、貴重な体験となりました。また、日本の昔ながらの遊びであるカルタで交流した際には、日本人学生と楽しそうに話しながら競技を行っていました。

茶道体験

長岡高専での交流プログラムに加えて、新潟県立博物館や市内企業(株式会社長岡歯車製作所様)の見学を行いました。新潟県立歴史博物館においてはウランバートル近郊では経験することができない豪雪地域ならではの展示や縄文時代からの日本文化について学びました。

新潟県立歴史博物館

また企業見学では、日本でのものづくり現場を肌で感じることができ、多くの機械が並ぶ工場内を非常に興味深い目で観察していました。また、帰国の移動に合わせて、東京では浅草探訪にて日本の文化に触れ、日本科学未来館、東京スカイツリーなどで先端技術見学を行いました。特に日本科学未来館では、二足歩行ロボットの実演や巨大な球体型ディスプレイ「ジオ・コスモス」に興味を持ったようで、目を輝かせながら見学していました。

最後に、モンゴル3高専の学生たちは、今回の交流プログラムに非常に満足した様子で、日本に留学したい契機になったという感想を述べていました。