2019年度 活動レポート 第376号:首都大学東京

2019年度活動レポート(一般公募コース)第376号

バイオ・環境化学のための分析科学に関する日中共同研究を目指して

首都大学東京からの報告

首都大学東京内山研究室では新しい分析科学の研究・開発・応用に取り組んでいます。即ち、内山一美教授、河西奈保子教授を中心としてナノ・マイクロ化学描画装置の開発とその応用、中嶋秀准教授を中心にマイクロ化学分析(μTAS)を用いた迅速・高感度なモバイル・現場測定法の開発と医療・環境計測への応用、加藤俊吾准教授を中心に大気環境のモバイル・現場計測法の開発と応用です。

今回招へいした陳子林教授は、東京都立大学工学部工業化学科分析化学研究室(主査:保母敏行教授、副査:内山一美助教授)で博士の学位を取得しました。その後同研究室でJSPS特別研究員として研究を続けました。本研究は陳教授が転出した後に開始したものですが、本研究の背景であるマイクロ化学分析法、微小領域の化学について十分理解されています。そこで、当研究室で継続している微小領域の分析化学に関する日中共同研究へ展開することを目的とし、上記研究を行い、その結果を発表するとともに合同ゼミナールを開催しました。

12月2日

成田空港へ出迎えました。成田空港で入国審査終了後、リムジンバスで移動し大学近くのホテルに案内しました。

12月3日

オリエンテーションと施設見学を行いました。招へい学生は大学の施設を使用して研究するため、安全・倫理・情報セキュリティーについて講習を行いました。その後当研究室で進めている分析化学について、その背景、科学的意義、原理、これまでの研究成果、今後の展開などについて講義しました。次に3日目からの実習に関する説明、4分野の研究テーマの構成と班分け(A~Dの4班)、実習の進め方について説明しました(担当:内山一美)。

12月4日~7日

班に分かれて実習をすすめました。

第1班:ナノ・マイクロ化学描画法とセンシングデバイスの作製

ナノ・マイクロ化学描画デバイスの作製方法を学修しました。得られたワイヤーの電気特性、温度応答性を測定しました。

1班実習風景 化学ペンで化学描画操作を行う

第2班:プッシュプルノズルシステムによる細胞操作

吐出、吸引用のノズルを有するプッシュプル型プローブを用いた細胞操作について実習しました。

2班実習風景 細胞操作の説明

第3班:マイクロTASに関する実習

ポリジメチルシロキサンを用いたマイクロチップの作製について実習しました。マイクロ流路をフォトリソグラフィー法によって作成しました。

3班実習風景 マイクロチップの作成

第4班:大気環境のオンサイト分析

大気汚染物質測定用微小センサを用いた大気環境計測。手のひらサイズの一酸化炭素センサデバイスを用いて大気環境を測定しました。

4班実習風景 大気環境計測についてディスカッション

12月9日-10日

合同ゼミナールを国際交流会館で開催しました。実習成果の発表および研究発表会を合同で行いました。発表会終了後Farewell Partyを行いました。

実習成果についてのポスターセッション(国際交流会館ラウンジ)

12月11日

成田空港から帰国の途につきました。