2019年度 活動レポート 第366号:宮崎大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第366号

国際防疫活動に貢献できる人材の育成を目指して

宮崎大学からの報告

宮崎大学・産業動物防疫リサーチセンター(CADIC)では、2019年12月1日から12月7日の日程で、インドネシアのIPB大学、ガジャマダ大学、アイルランガ大学、ウダヤナ大学、ヌサチェンダナ大学(いずれも獣医学部)から研究者14名を招へいしました。

CADICは、宮崎で発生した口蹄疫の経験を踏まえ、2011年10月に産業動物における防疫戦略構想の構築や世界水準の教育・研究を実践するために設置された施設です。3年前から、インドネシアの獣医系主要教育研究機関と連携し、侵入リスクのある口蹄疫を含む重要家畜伝染病の発生・伝播疫学や防疫対策、さらには食肉の安全性確保をテーマに、情報ネットワーク、共同調査研究および研修教育事業を柱とした産業動物防疫コンソーシアムをインドネシア国内に構築する取組みを開始しています。そのような中、本事業を用いて、インドネシアの獣医系大学の若手研究者を日本に招へいし、産業動物防疫に関する短期研修を行いました。

宮崎大学獣医研究棟前にて

研修初日にオリエンテーションとCADICの概要説明を行った後、施設見学を行いました。午後からは、タイ・インドネシアの獣医系主要教育研究機関との連携についてのセミナーに参加し、今後の持続的な共同研究開発についてディスカッションを行いました。研修2日目は、宮崎大学で開催された第9回国際シンポジウム「国境なき家畜伝染病防疫対策の取り組み-家畜伝染病侵入の脅威とその防疫体制強化そして新たなコントロール戦略-」に参加して、口蹄疫、アフリカ豚コレラなどの重要悪性家畜感染症に関する情報を共有し、効果的な防疫対策の開発について学びました。

講義の様子

フィールドツアーとして、2010年宮崎県で発生した口蹄疫をより深く理解してもらうため、実際に口蹄疫が発生した地域を見学すると共に、口蹄疫メモリアルセンターを訪問し、当時の防疫活動がいかに困難であったかを体感してもらいました。

口蹄疫メモリアルセンターにて

プログラムの合間には、文化交流イベントとして着物の着付けや茶道を体験しました。参加者は実際に着物を着て写真撮影を楽しんでいました。

着物の着付け・茶道体験

最終日には、感染症研究を行っている研究室に所属する留学生を含む大学院生と研修生との交流セミナーを行いました。セミナーでは、参加者がそれぞれの所属先で行っている研究成果を英語で発表しました。研修生は本学で行われている研究テーマに非常に興味を示し、活発に意見交換を行っていました。

交流セミナーにて

今回、さくらサイエンスプログラムから御支援頂いたことで、産業動物防疫をテーマとして有意義な研修・交流を行うことができました。今後も人材交流を継続しながら国際共同研究等を通じて、国際防疫活動に貢献できる人材の育成につなげていきたいと考えています。このような貴重な機会を与えていただき、深く感謝申し上げます。