2019年度 活動レポート 第353号:大阪市立大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第353号

地球・生活を救う環境科学人材を育む研究教育の体験と交流

大阪市立大学からの報告

大阪市立大学理学研究科、人工光合成研究センター、生活科学研究科は「さくらサイエンスプログラム」の支援を受けて、令和元年10月23日(水)から28日(月)まで台湾のNew Taipei Municipal Zhonghe Senior High School、Ying-Hai High School、シンガポールのHwa Chong Institution から高校生6名、教員4名、コーディネーター1名を迎えプログラムを実施しました。

大阪市立大学スタッフとの交流会

このプログラムは次の目的の達成を目指して実施しました。

  1. 大阪市立大学で実施している最先端の研究、国際色豊かな教育を環境に関する講義と実験によって体験し、大学内の自由闊達な雰囲気を体感する。将来の本学への留学に向けた基盤、関係を作り上げる。
  2. 同じ分野の研究をしている国内外の高校生が科学を通じて深く交流し、互いの理解を深め、高校生がグローバルな思考をもつことを推進する。

このプログラムでは、ほぼすべての活動を大阪市立大学で実施しました。また、この時期に大学内で開催されている「高校化学グランドコンテスト」にも参加して、多数の国内高校生や高校教員と研究教育に関して議論し交流を深めました。

1.大阪市立大学 人工光合成研究センター・理学研究科

10月24日午前は、人工光合成研究センターを訪問し研究設備を見学しました。人工光合成に関する説明を受けて、社会の関心が高い地球温暖化問題の解決と深く関係していることを学びました。その後は、学内にある植物の葉から光合成色素を抽出する実験をしました。色素の性質を調べて、光合成の科学を学びました。自然現象を科学的視点でとらえてその仕組みを理解する楽しさを体感しました。

植物の葉から光合成色素を抽出する実験(人工光合成研究センター)

午後は、理学研究科を訪問して、化学実験室で人工色素を合成する実験をしました。色素の性質を調べて、光合成とも深く関係している光化学を学びました。その後は、研究室を見学して大学院生と交流しました。

人工色素の蛍光を観察する実験(理学研究科)

2.大阪市立大学 生活科学研究科

10月25日午前は、生活科学研究科を訪問し、社会の関心が高まっている生活環境に関して学びました。国外から来られている教授が講義を担当し、本学の国際色豊かな教育環境を体感しました。お菓子を食べながら、打ち解けた雰囲気で生活環境の大切さを学びました。

3.大阪市立科学館

10月25日午後は、大阪市立科学館を訪問しました。ここでのメインイベントはプラネタリウム。投影プログラムは「天の川を探る」でした。美しい星空を楽しむとともに「七夕のお祝い」を通じて日本の文化習慣にふれました。また、館内の展示によって、科学館で展開されている市民や生徒に対する科学教育を体感してもらいました。

4.第16回高校化学グランドコンテスト(略称:グラコン)

10月26日午後は、グラコンに参加するために全国から集まってきた高校生と交流しました。最初は、120件のポスター発表の中から研究の分野が近い高校生を選び、互いの研究について議論しました。

ポスター発表でのディスカッション

その後、高校生はグラコンのレセプションパーティーに、教員は教員交流会に参加し、食事をしながら打ち解けた雰囲気で深く交流しました。10月27日は、グラコンの最終選考会に参加し、国内から選抜された10校の研究発表、特別講演を聴くとともに、研究発表をしました。互いの研究について理解を深めました。

高校化学グランドコンテスト特別講演者との交流会

大阪市立大学に隣接するホテルに宿泊することで移動時間を少なくし、中身の濃いプログラムを実施することができました。実施後のアンケートでは、好意的な回答を多数いただき、参加者の多くが再び来日したいと回答しました。