2019年度活動レポート(一般公募コース)第349号
システムズエンジニアリング技術の複雑な船舶や海上システム設計への応用に関する
日本・マレーシア共同研究プログラム
東京大学からの報告
概要
2020年1月26日から2月15日の3週間の期間に、「さくらサイエンスプログラム」によりマレーシア工科大学の博士課程の学生Jauhari Khairuddinさんと、指導教員であるAdi Maimun Bin Hj. Abdul Malik教授を東京大学大学院新領域創成科学研究科に招へいしました。この期間に、研究室での研究活動に加えて、海上・港湾・航空技術研究所 海洋安全技術研究所の訪問、東京大学の抵抗試験水槽の見学などの海上輸送技術に関する研究に直結する活動、および産業技術総合研究所つくばセンターやJAXAつくば宇宙センターの見学など、幅広く日本の科学技術に触れる機会を提供できました。以上を通じて、日本とマレーシアの海事産業分野での技術交流を深めました。
主な活動
東京大学柏キャンパスに到着し、滞在する東京大学新領域創成科学研究科産業環境学研究室の見学をした後、歓迎のための昼食会を行いました。歓迎会で招へい者と研究室のメンバーが自己紹介をした後、各自の研究テーマを説明し、昼食の中で交流を行いました。
招へい者の2人は、「産業技術総合研究所つくばセンター」および「JAXAつくば宇宙センター」を訪問し、日本における宇宙探索の歴史、各宇宙飛行士の経歴、および最先端の宇宙探索技術について熱心に体験・見学を行いました。
プログラムの一環として、東京大学本郷キャンパスを訪問しました。東京大学の歴史や研究施設に関すること、および東大における船型曳航試験水槽とキャビテーション水槽といった大型実験設備の見学を行いました。また、実験設備の歴史、仕様や過去の活動と将来の研究計画についての調査を行いました。マレーシア工科大学における同様の大型実験設備の活用状況などについても稗方和夫准教授と意見交換を行い、日本に滞在する間の研究活動および今後の協業について検討を行いました。
協業についての意見交換のために、海洋安全技術研究所を訪問しました。流体制設計系の一ノ瀬康雄研究員から研究活動の紹介を受け、海上技術安全研究所の抵抗水槽などの実験設備の見学を行いました。また、知識・データシステム系の和中真之介研究員から実験設備のデータ活用について説明を受け、マレーシア工科大学、東京大学、海上技術安全研究所の共同プロジェクトについての実現可能な研究提案について議論を行いました。
滞在している研究室での活動としては、研究内容の紹介や、研究活動から得られた知見を研究室メンバーと共有しました。また、参加した日本側の学生からも多くの質問が寄せられ、船舶設計の複雑性と、複雑性に対処するための方法論としてのシステムズエンジニアリング手法の導入の必要性について議論を行いました。