2019年度活動レポート(一般公募コース)第333号
アジアのリーダ都市をめざす福岡市における大学の研究力と留学生の活躍に触れる
福岡アジア都市研究所からの報告
在福岡中国総領事館の紹介により、中国科学技術部農村科学技術司がコーディネートした中国内陸の四川省と陝西省から、高校生訪問団一行16名(含引率者)を2019年12月8日~14日の日程で福岡に招へいしました。
さくらサイエンスプログラムが掲げる目標の一つは、「科学技術分野における継続的な交流を促進する」ことです。そのため、私たちは、中国の招へい者たちに日本の大学の進んだ研究や教育を学んでもらうと同時に、元中国人留学生たちの活躍ぶりを直に見聞きすることを通して、日本への理解を深め、日本留学へのモチベーションの向上につなげることに注力しました。
日本の先進性に触れる
久留米大学医学部(12月10日)を訪問し、先端癌治療研究センター所長から「癌治療研究最前線」をテーマにした講義を受け、今世界的に注目されている日本の細胞研究の現状と癌の免疫療法に対する認識を深めることができました。また、大学病院の高度救命救急センター常駐ドクターヘリを見学し、招へい者たちが日本の先端医療体制に触れることもできました。
元中国人留学生たちの活躍を知る
福岡工業大学半導体技術研究所・先端測量研究センターを訪問し(12月11日)、元留学生で現在同校の教授を務めている先生から3D画像形成及び用途について話しを聞き、3D画像生成も体験してみました。
また、九州大学水素エネルギー国際研究センターを訪問し(12月12日)、そこでも同じく元留学生で現在教授を務めている先生から水素エネルギー時代の現状と課題についてレクチャーを受け、水素エネルギー実験室を見学し、珍しい水素自動車の走行も見学しました。言語の障壁がないので、招へい者たちが中国人の先生にストレートに様々な質問をぶつけ、概ね満足した回答を得られたようです。
科学技術と社会のかかわり方を学ぶ
西日本工業大学デザイン学部を訪問し(12月13日)、社会におけるデザインの重要性と可能性について講義を受け、その後、招へい者たちが工房で3Dプリンタを使って工作体験もしました。
大学訪問だけでなく、招へい者たちに日本の文化や社会の仕組みをより総合的に認識し、理解を深めてもらうために、北九州環境ミュージアム(公害克服の歴史)、福岡市民防災センター(防災意識と防災スキルの向上)といった施設にも案内しました。中国ではこのような体験学習の機会が少ないので、招へい者たちは大いに感激し、興奮していました。
修了式では、招へい者たちが滞在中に見聞きしたことへの感想を披露し、「さくらサイエンスプログラム」をはじめ、招へい側にあつく感謝の意を表明していました。また、彼たちが日本で経験したこと、学んだこと、特に日本社会への印象は、帰国後に中国のSNSであるWeChatにアップされたレポートに詳しく報告され、関係者の間に広がっています。