2019年度活動レポート(一般公募コース)第320号
ミャンマーのバイオマス資源を活用する共同研究体制の構築を目指した科学技術体験
九州工業大学 坪田敏樹さんからの報告
2019年12月14日から12月20日までミャンマーのヤンゴン大学(University of Yangon)の産業化学科(Department of Industrial Chemistry)の学科長(Prof. Soe Soe Than)と教員2名(Ms. Sin Myat Zin Ber, Mr. Saw Htet Thura Lin)を「さくらサイエンスプログラム」科学技術体験コース(Aコース)で招へいしました。
今回の招へいの目的は、ヤンゴン大学の教員にプログラムの実施主担当者の研究室および九州工業大学の研究設備や環境を理解してもらうことで、今後、ヤンゴン大学からの学生派遣や共同研究への発展を実現することです。プログラムの実施主担当者の研究室では、研究室で保有する吸着等温線測定装置の使用体験、電気化学測定装置の説明、等を行いました。研究室の検討会にも参加してもらいました。
機器分析センターではXPSを見学して説明しました。また、Prof. Soe Soe Thanにヤンゴン大学と研究内容を紹介する講演をしていただきました。
フィールド調査として、Prof. Soe Soe Thanは、植物から化粧品成分を抽出する研究を行っているので、福岡市近郊にある植物を原料として化粧品を製造している企業の工場見学に行きました。この企業は竹表皮を原料とした美白化粧品を実用化して販売しています。プログラムの実施主担当者は竹を原料とした高性能な電気二重層キャパシタ電極材料を開発する研究を行っています。プログラムの実施主担当者とこの企業は、原料を「竹」とする共通点で知り合っていたのですが、ヤンゴン大学とこの企業は「化粧品」の共通点があり今回のフィールド調査に価値があると考え見学に行きました。また、この企業の近くにある太宰府天満宮にも行きました。
九州大学伊都キャンパスでは、プログラムの実施主担当者が共同研究をしている九州大学農学部の研究室に在籍しているミャンマー人留学生との交流、九州大学超顕微解析研究センターで透過型電子顕微鏡の見学、等を行いました。
今回の事業により招へい者は、実施主担当者と九州工業大学を理解したと思います。今後、さくらサイエンスプログラムを活用してヤンゴン大学からの学生派遣やプログラム実施主担当者とヤンゴン大学の共同研究へと発展させていきたいと思います。