2019年度活動レポート(一般公募コース)第318号
KIT Bio Tech × IT Winter School 2019を開講しました
京都工芸繊維大学からの報告
令和元年12月15日(日)~12月21日(土)の間、京都工芸繊維大学分子化学系 亀井加恵子教授と情報工学・人間科学系 福澤理行准教授が中心となり、「KIT Bio Tech × IT Winter School 2019」を実施しました。
本プログラムには、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受けたカンボジア・ベトナム・ラオス・ミャンマーの4か国8大学から学生15名(王立プノンペン大学(カンボジア)学生2名・教員1名、キリロム工科大学(カンボジア)学生2名、国立ホーチミン理科大学(ベトナム)学生2名、カント大学(ベトナム)学生2名、ハノイ工科大学(ベトナム)学生1名、ラオス国立大学(ラオス)学生2名・教員1名、ヤンゴン工科大学(ミャンマー)学生2名、マンダレー工科大学(ミャンマー)学生2名・教員1名)、および京都工芸繊維大学の学生9名が参加しました。
参加者は、それぞれの専門分野によりバイオとITの2つのグループに分かれ、特別講義の受講やワークショップでの課題に取り組みました。
バイオグループでは、本学が世界に誇るショウジョウバエを用いた実験や、亀井教授が約20年間にわたりベトナムをはじめとする東南アジア諸国と共同研究を行う、「天然物による細菌制御に関する研究」など2つの実験に取り組んだほか、受入学生は、自国の大学にはない精密機器の使用方法等を本学学生から学びました。
ITグループでは、Industrial IoTに関する要素技術を福澤准教授よりワークショップ形式で学び、その集大成として「ワイヤレスIoTデバイスを用いた生産支援システムのプロトタイピング」という実習課題に2人1組となって取り組みました。
最終日には合同報告会が開催され、バイオグループは2つのグループに分かれてそれぞれ1つの実験について、結果を報告しました。ITグループは、ワイヤレスIoTデバイスに内蔵された様々なセンサーの機能を活用し、製品の品質指標や生産速度の可視化、搬送トラックの異常姿勢検出を遠隔監視するなど、ユニークなシステムを提案しました。
招へい者全員にとって、はじめての日本訪問であったため、期間中は、学業面だけでなく、日本の社会や文化を紹介する機会も設けられました。株式会社島津製作所の本社工場を訪問し、最先端の医療用機器や計測機器を見学し、性能や開発のコンセプトなどの説明を受けました。機器の組立て作業の見学では、作業効率の向上、ミスの防止、安全確保などの取り組みを学びました。また、京都絞り工芸館では、スカーフの絞り染めを体験し、参加者は、古都・京都の伝統文化を味わい、楽しみました。
日本を含めた5か国の参加者が集う場では、言語・国籍を超えたつながりが生まれ、帰国後もSNS等を通じて交流が続いています。また、招へい者の所属する各大学とは今後も共同研究や学生の受入など交流を継続していく予定です。サポーターとしてプログラムに参加した本学学生にとっても海外留学等を考える機会となり、全参加者にとって非常に有意義な7日間のプログラムとなりました。