2019年度 活動レポート 第313号:日本マレーシア協会

2019年度活動レポート(一般公募コース)第313号

持続可能な河川流域構築に必要な科学技術を学ぶ
-SDGSの取り組みを核に-

日本マレーシア協会からの報告

日本マレーシア協会では、2020年1月20日(月)~27日(月)「さくらサイエンスプログラム」によりマレーシア・イスラム大学から10名の大学生と1名の教員を招へいし、九州北部を流れる筑後川流域をフィールドに自然科学と社会科学の視点から「持続可能な河川流域構築に必要な科学技術を学ぶ-SDGSの取り組みを核に-」と題した先進的な取り組みの事例を学ぶための研修を実施しました。

本プログラムは、マレーシア・イスラム大学からの「日本の大規模河川流域の自然科学と社会科学の教育と研究を学び、マレーシアの課題の一つとなっている河川流域管理教育と研究などに生かしたい」との要請を受けて計画されたものです。

歴史的遺産(筑後川昇開橋にて)

研修では、①筑後川流域の歴史、②筑後川流域の治水と利水、③筑後川流域の地域社会との関り、④筑後川流域の災害についてSDGSに沿って学びました。

九州大学、福岡大学久留米大学および佐賀大学を訪問し教育と研究に関する情報と大学案内と留学に関する説明を受け、学生との交流をして基礎情報を得ました。

学生交流風景(福岡大学にて)

また、湯布院、柳川及び有明で地域資源と街づくりについての調査をし、朝倉市では中村哲さんがアフガニスタンでの開発協力のモデルにした山田堰、筑後川水系佐田川にある水資源機構が管理するロックフィル型寺内ダムおよび2年前の豪雨で大規模な被災にあった被災地を視察しました。

久留米市では利水事例として下水処理場およびマレーシアなどからゴムを輸入して起業した株式会社ブリヂストンの創業工場である久留米工場を見学しました。

久留米市下水処理場見学

まとめに、国土交通省筑後川河川事務所長、特定非営利活動法人筑後川流域連携倶楽部代表、元福岡市環境部長および前環境事務次官から総括研修を受けました。これに合わせて開催した研修生の報告会では、多くの知識と経験を得、大変意義深い研修であるとともに魅力を感じる大学との出会いがあったとの報告もありました。

研修報告会

なお、福岡県朝倉市での大規模災害地と山田堰での研修および柳川市での地域資源を生かした街づくり研修の際に新聞の取材があり学生たちに感想を聞いていました。

山田堰にて取材風景