2019年度活動レポート(一般公募コース)第312号
持続型循環に向けた材料技術に関する研究交流を通して国際連携を促進
名古屋大学未来社会創造機構からの報告
日本・アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)の支援を受け、2019年12月1日から12月21日までの21日間、タイ王国のチュラロンコン大学(以下、CU。)から6名の大学院生を招へいし、持続型循環に向けた材料技術に関する研究交流を行いました。
CUと名古屋大学は1992年に大学間学術交流協定を結んで以来、積極的に交流を行ってきました。本交流プログラムは、両校における学術交流活動と国際連携教育の更なる活性化および国際共同研究への発展に繋げることを目的に実施しました。
名古屋大学の先端技術や研究室を知る
国際連携教育の更なる活性化に向けて、名古屋大学を学生によく知ってもらうため、名古屋大学のノーベル賞受賞研究や既存研究室を紹介しました。ノーベル賞記念館や研究室見学を通して、本学での研究活動への関心を高めることができました。
持続型循環に向けた材料技術を経験する
温暖化ガスである二酸化炭素の有価物化や低環境負荷抽出プロセス、環境浄化用吸着材など、タイで関心の高い持続型循環社会の実現に必要な材料技術に関する学習、研究を経験しました。本学が所有する最先端の分析機器などを実際に使用し、当該分野の知見を持つ教員や学生含む若手研究者と議論を重ねて実験を進める中で、新しい研究へのアイデアやアプローチ、考え方を学びました。また、研究室生活を通して、日本の学生との交流も多く持つことができました。
日本の産業とアウトプット意識を学ぶ
世界最大級の企業に成長したトヨタ自動車㈱の、織機から自動車産業への変遷の歴史を学ぶため、また、研究を実用化するアウトプット意識の醸成を目的としてトヨタ産業技術記念館を訪問しました。実用化のハードルを如何に乗り越えたかを実際の製造装置を見学しながら学習できる場は珍しく、参加学生の強い関心を引きました。
日本の先端技術を学ぶ
日本の先端技術を学ぶため、日本科学未来館を訪問しました。日本の各分野における最先端技術に触れる機会を得たことは、学生にとって貴重な経験となりました。多様な分野の先端技術に触れることは、分野横断型研究について考える機会にもなりました。
国際会議MRM2019への参加
最先端の材料研究と名古屋大学が取り組む材料研究を学ぶため、材料系国際会議MRM2019に参加しました。先進的な研究成果に触れ、多様な国の研究者とも交流でき、自身の研究を考える良い機会となりました。また、自身や自国の発展に貢献する新テーマの着想が得られたかと思います。
本交流プログラムでは、大学間における学術交流活動と国際連携教育の更なる活性化および国際共同研究への発展に繋げることを目的として、学生を招へいしました。学生にとっては、滞在中の体験を、自身の研究活動に落とし込み、研究を深化させる良い刺激になったと思われます。更に、日本での研究生活や成果報告の体験は、共同研究および日本での研究に対する意欲も高められました。本交流は、両国協働による研究・教育活動の活性化への貢献が期待できる結果となりました。
貴重な機会を与えてくださった、さくらサイエンスプログラムならびに関係者の皆様に深く感謝いたします。