2019年度 活動レポート 第311号:和歌山県立日高高等学校

2019年度活動レポート(一般公募コース)第311号

科学で紡ぐ国際交流2019
インドネシア(Madania School)、ベトナム(Tran Phu High School)の高校生を迎えて

和歌山県立日高高等学校からの報告

2019年11月10日から11月15日までの6日間、「さくらサイエンスプログラム」によりインドネシア(Madania School)とベトナム(Tran Phu High School)よりそれぞれ生徒4名と引率教員1名の計10名を招へいし、科学技術体験コースのプログラムを実施しました。本校からも参加希望生徒を募り、兵庫県及び本校で合同研修を行いました。移動日を除き、前半の2日間で、兵庫県では理化学研究所放射光科学研究センター、兵庫県立研究科学研究所、理化学研究所生命機能化学研究センター(BDR)を訪問し、後半の2日間で、本校での遺伝子組み換え実験や近畿大学生物理工学部宮本先生による特別講義、交流活動、プレゼン発表等を行いました。

理化学研究所放射光科学研究センター

SPring-8とSACLAの見学を行い、放射光施設の仕組みや行われている研究等について学びました。参加者たちが普段はなかなかふれることのない先端技術の研究に大きな興味を持ち、予定時間ギリギリまで多くの質問をしていたことが印象的でした。

放射光研究センターにて

兵庫県立健康科学研究所

主に食中毒や感染症についての試験研究、食品や医療品に含まれる有害物質の試験研究、研究による情報発信等を行っており、研究施設の見学や電子顕微鏡での画像など、それぞれ研究員の方々からお話を伺いました。また施設の役割そのものが地域に直接影響を及ぼすわることが多いので、研究所が周辺地域の中でどれほど大切なものであるかが分かり、研究というものの重要性をより強く感じました。実際のウイルスを見せて頂いたときの、生徒たちの表情がとても印象的でした。

理化学研究所生命機能化学研究センター(BDR)

iPS細胞研究などを中心とした再生医療の最先端研究について学びました。研究施設内では、ショウジョウバエやプラナリアについての実験、展示施設では体が無色透明なマウスやiPS細胞など、興味深いものが多く、参加者から「すごい」という声が多く聞こえてきました。また、研究内容について説明を受けたとき、招へい生徒と研究員の方との英語での質疑応答がとても活発で、我々教員も圧倒されるほどでした。

BDRにて

特別講義・実験

本校に来校後は、特別講義にて再生医療やクローン技術について学び、また、大腸菌を用いての遺伝子組み換え実験を行い、その原理や基本的な実験器具の操作方法について学びました。実験概要や操作方法の説明等は通訳の方の協力を得ながら行い、招へい生徒と本校生徒が一緒にグループを作り実験を行いました。初めはグループ内でのコミュニケーションがなかなか取れていないようでしたが、そこは同年代の生徒同士ということもあり、時間が経つにつれ、互いに積極的になり、協力して実験操作を行うことができました。

遺伝子組み換え実験

プレゼン発表と交流

プレゼン発表では、半日かけて、校外での施設見学や本校での実験の内容をまとめ、実験結果も含め、パワーポイントを用いて英語での発表を行いました。各グループ内でしっかりとコミュニケーションをとり、発表の仕方も工夫し、それぞれのグループの特徴がよく出ていました。本校ではその他にも、歓迎アセンブリーや授業交流、部活動体験等も行い、お互いの文化に触れ、大変よい交流の機会となりました。

プレゼン作成
部活動体験

今回の研修では、先端技術に触れ、好奇心が刺激され、グループ活動を行う中で、コミュニケーションの必要性やお互いの文化に触れ、理解し合うことの大切さを、本校生徒も招へい生徒も学ぶことができたようでした。短い期間でしたが、参加者にとっては、大きな意味を持つ研修になりました。また、この場をかりて、今回の研修で受け入れてくださった施設の方や関わってくださった方、このような機会を与えて頂いた「さくらサイエンスプログラム」にお礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。