2019年度活動レポート(一般公募コース)第298号
高専生とのプロダクト・デザイン体験を通した日本型ものづくり交流
佐世保工業高等専門学校 電気電子工学科
准教授 三橋 和彦さんからの報告
2019年12月8日(日)から1週間の行程で、タイ・泰日工業大学(以下、TNI)の学生8名と教職員1名が佐世保高専を中心とした九州北部を訪問し、「高専生とのプロダクト・デザイン体験を通した日本型ものづくり交流」をテーマに交流活動を行いました。TNIは、日本型ものづくりを標榜する私立大学として、泰日の工業界が中心となって設立された大学です。
12月8日は到着日で休日だったため、佐世保市内を見学しました。佐世保を海側と陸側の両面から知ってもらうため佐世保港内の様子や歴史的価値もある造船用カンチレバー等を見学しました。
佐世保高専には12月9日(月)〜11(水)の間訪問し、授業に体験参加するとともにサイエンス・ツアーや3Dプリンタを用いた実習を体験しました。授業体験では、昨年9月にTNIを訪問した電気電子工学科4年の授業(物理学)に体験参加しました。授業では、5~6名の班を作ってスマートフォンを活用しながらチャットして交流しました。
サイエンス・ツアーでは、全学科から参加する英会話グループが、TNIの学生向けに出前実験を準備して英語で紹介しました。海中ロボットやレーザー加工機、電子顕微鏡等先端的な設備を初めて見たTNIの学生達は、興味深く見学していました。
プロダクト・デザイン体験では、3D-CADでデザインした動物やカメラ、船などの立体を3Dプリンタで印刷するものづくり実習を実施しました。女子学生には動物のキャラクターが、男子学生にはカメラ等の身近なもののデザインがお気に入りの様子でした。制作物は、キーホルダーに加工して思い出の品として持ち帰ってもらいました。懇親会では、授業体験で交流した学生達も交えて軽食と会話を楽しんで佐世保高専の滞在を締めくくりました。
企業訪問では、佐世保近郊1社と福岡県内2社を訪問しました。佐世保近郊では、国内第3位の製造規模を持つ大島造船所を訪問し、ばら積み貨物船の製造工程を見学しました。工場では短期間で数多くの船体を同時建造する工程を見学しました。岸壁から直接陸揚げされた鋼板をレーザーやプラズマ切断機で加工し、ロボットも駆使しながらブロック構造体に仕上げてドックで組み立てる一連の作業を社員様の解説を頂きながら見学しました。また、トヨタ自動車九州の福岡工場とTOTOミュージアムを見学しました。日本文化を見学してもらうため、小倉の漫画ミュージアムや小倉城も訪問しました。
福岡市内では、日本での起業活動を支援する施設スタートアップ・カフェを訪問するとともに、主としてITエンジニアのスキルアップや交流を支援するエンジニア・カフェを訪問しました。両施設の見学の合間には天神エリアを散策し、日本企業の技術や文化を自由に学びました。