2019年度活動レポート(一般公募コース)第284号
原理理解を重視したPBLによる研究力向上
東京都市大学からの報告
タイ・モンクット王工科大学ノースバンコク校(KMUTNB)の大学院生10名が東京都市大学生世田谷キャンパスで「原理理解を重視したPBLによる研究力向上」をテーマに課題解決型学習に取り組みました。
電子情報通信学会では東南アジア諸国への知名度向上と同学会の英文論文誌への投稿促進のために「国外におけるジャーナル論文の書き方セミナー」を開催しています。KMUTNBにおいても2回のセミナーを実施していて、本さくらサイエンスプログラムの実施主担当者(田口亮知識工学部長)がそのセミナーの講師を担当していました。そのセミナーにおいて実施主担当者が今回の引率教員(Dr. Krit Angkeaw)にさくらサイエンスプログラムについて紹介しました。その後、意見交換を行った結果、両校の今後の交流を見据えて、さくらサイエンスプログラムを実施することを決定、今回の実施となりました。
今回のさくらサイエンスプログラムは「科学技術研修コース」で2019年10月14日〜10月22日の9日間、本学・世田谷キャンパスで実施する予定でした。しかしながら、2019年10月12日に台風19号により甚大なる浸水被害を受け、世田谷キャンパスは2週間閉鎖を余儀なくされました。KMUTNBとのさくらサイエンスプログラムは一旦中止とし、再度の開催をJSTへ依頼したところ、多大なるご配慮を賜り、2019年12月2日〜12月10日(9日間)の期間での実施を実現しました。改めて、JSTには厚く御礼申し上げます。
さくらサイエンスプログラムは工学部・機械工学科(内燃機関工学研究室)、機械システム工学科(熱流体システム研究室)、エネルギー化学科(環境化学工学研究室)と知識工学部・情報科学科(視覚メディア研究室、コンピュータシステム研究室)、知能情報工学科(田村研究室、兼子研究室、松崎研究室)の協力を得て実施しました。招へい学生の研究分野を考慮して配属先の研究室を決定し、招へい学生はほぼ1週間の期間、配属された研究室で課題解決に取り組みました。
研究室で取り組んだPBLの成果は12月9日14時から行われた成果発表会で披露されました。各招へい学生から15分程度の持ち時間で本学の各研究室の装置、設備を用いて行われた実験結果とその検討等が報告されました。それら発表は、招へい学生が充実した1週間を過ごしたことを物語るものでした。発表会終了後、修了式が執り行われた。修了式ではSakura Science Clubの説明が成され、Sakura Science Clubのバッジが各招へい学生に渡されました。最後に、本学国際センター長の本間教授よりの招へい学生一人一人に修了証が授与されました。
発表会終了後、フェアウェルパーティが行われ、招へい学生をサポートした本学の各研究室の学生も参加しました。わずか1週間の付き合いとは思えないほど、両校の学生は親しく会話を交わし、そして、別れを惜しんでいました。このような光景を目の当たりにした時、さくらサイエンスプログラムを実施して良かったと実感します。
KMUTNBとの具体的な交流は、今回のさくらサイエンスプログラムが初めてです。この実施期間中に、KMUTNBの引率教員と今後の両校の交流について話し合う機会も得ました。来年度以降、交換留学生制度等を視野にいれて交流を深めること、さくらサイエンスプログラムを実施することを決定しました。実りの多いプログラムでした。この行事を主催するJSTに厚く御礼申し上げます。