2019年度活動レポート(一般公募コース)第283号
両校の教育と研究の交流体制確立を目指して
東京都市大学からの報告
タイ・モンクット王工科大学トンブリー(KMUTT)の学部生10名が東京都市大学生世田谷キャンパスで「両校の教育と研究の交流体制確立を目指して」をテーマに課題解決型学習に取り組みました。
KMUTTとは6年目のさくらサイエンスプログラムによる交流であり、本年は、「科学技術体験コース」で2019年12月15日〜12月21日の7日間を本学の知識工学部の研究室で課題解決に取り組んでもらいました。
KMUTTと本学は包括交流協定(MoU)を締結しています。両校ともに工科系を中心とする大学で分野のオーバーラップが大きく、交流を行うことが適当な間柄です。MoU締結後の交流活動の一つの柱が「さくらサイエンスプログラム」であり、5年連続で採択されています。今回で6回目となるさくらサイエンスプログラムは、知識工学部の情報科学科と情報通信工学科がホストを務めました。
本学の工学部、知識工学部はこれまで多くのさくらサイエンスプログラムを実施してきています。その中の多くのプログラムは招へい学生に日本の研究室の活動(先輩、後輩の間柄でワンチームとして協働活動を行う形態)を知ってもらうことを目的に、招へい学生の専門分野に合致した研究室でPBLに取り組んでもらっています。今回は、情報科学科では新家講師、延澤講師の研究室が、情報通信工学科では柴田教授、塩本教授、平野准教授の研究室が招へい学生を受入れ、1週間足らずのPBLのサポートをしていただきました。研究室におけるPBLは教員よりもその研究室に属する大学院生、学部生が支援を行います。そのことによって、招へい学生に日本の研究室の良さを体験してもらえ、さらに、本学の学生におけるグローバリゼーションにも貢献します。
帰国前日にあたる12月20日の14時から成果発表会が行われ、招へい学生一人一人が15分程度の持ち時間で自らのPBLの成果を口頭発表で披露しました。例えば、新家講師の研究室では符号化に係わる課題、平野准教授の研究室では無線通信に係わる課題など、各研究室で取り組んだ技術的にホットな課題の成果が披露されました。成果発表会にはPBLを支援した教員、大学院生も参加し、和やかな雰囲気で行われました。
成果発表会後、修了式、フェアウェルパーティが行われました。「科学技術体験コース」であることから、7日間という短い期間での開催となり、両校の学生の課外における交流が十分に行うことができませんでしたが、フェアウェルパーティでは両校の学生が親しく交流し別れを惜しんでいる光景を目にできました。さくらサイエンスプログラムは本学の国際化のためにも機能していることを実感します。
この6年間、このプログラムに対するKMUTTからの参加者の評価は高いのですが、まだ、このプログラムの参加者が本学の大学院に進学した例はありません。来年度以降も本プログラムを継続したいと考えていて、その際、本学の魅力、日本で学ぶことの魅力をこれまで以上に伝えることを努力する所存です。最後になりましたが、このような素晴らしいプログラムを主催するJSTに厚く御礼申し上げます。