2019年度活動レポート(一般公募コース)第274号
優秀なタイの高校生が東北大学で最先端の機械工学を体験
東北大学工学部機械知能・航空工学科からの報告
東北大学工学部機械知能・航空工学科では、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受け、令和元年11月17日から11月22日までの6日間、タイの4つの上位高校から生徒10名と引率の教員1名を招へいしました。最先端機械工学研修を主なテーマとして、流体研究所、理学部、農学部を含めた研究室への訪問や宮城県仙台第三高等学校との交流、さらに日本の文化や美しい景観に触れてもらうプログラムを実施しました。
メインのプログラムである先端工学研修では、東北大学工学部で行っている世界トップレベルの研究の一端として、宇宙探査工学、ロボット工学、微小電気機械システム(MEMS)の3つのテーマを設定しました。各研修テーマについて関連教員による簡単な講義を聴講した後、研究室見学を行って実際に最先端の研究を直接肌で感じてもらいました。参加学生の関心度は非常に高く、高校活動の一貫としてすでに専門的な知識の一端を持っている学生も多かったため、活発な質疑応答がなされました。
流体科学研究所の低乱風洞や衝撃波施設との大型実験装置の見学で高校生の皆さんは工学の迫力を感じた貴重な体験でした。さらに、タイの学生は工学部一年生の創造工学研修の基地であり、基礎試験施設から最先端のデジタル造型装置まで取り揃えている「創造工学ゼンター」や、昨年入居を開始した国際混在型学生宿舎「ユニバーシティ・ハウス青葉山」を見学し、本学の充実した教育・学習・研究環境に驚いていました。
また、学外の活動として、スーパーサイエンススクール(SSH)指定校の宮城県仙台第三高等学校との交流イベントも行われました。招へい学生の皆さんにとって初めて日本人の高校生と接する機会でしたが、生徒同士はすぐに打ち解けて交流が始まりました。互いの研究発表を聞いたり、高校のクラブ活動や勉強について和やかに話し合ったりして、非常に充実した時間を共に過ごすことができ、相互に記憶に残るイベントとなりました。
プログラムの後半では日本の美しい景観や伝統ある文化に触れるために日本三景の一つである松島を訪れ、こけしの絵付け体験を行いました。それだけではなく、期間中に様々な日本食を味わい、大いに日本の文化を堪能してもらうことができました。
今回のプログラムは、学部から博士課程まで一貫した英語教育を実現している国際機械工学コース(IMAC-U)を持つ工学研究科機械・知能系と工学部機械知能・航空工学科が主催しており、タイからの優秀な学生を継続的に獲得するために、タイの高校との間に太いパイプラインを作るという狙いも含まれていました。プログラムの最後に実施したアンケート調査では、本プログラムに対して非常に高い評価を頂いただけでなく、中には本大学で学びたいという意思を示している学生もおり、東北大学あるいは日本の大学の素晴らしさをしっかりと伝えることができた非常に有意義なプログラムとなったものと考えています。