2019年度 活動レポート 第270号:東京理科大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第270号

タイの大学院生と機能性材料に関する共同研究を実施

東京理科大学からの報告

2019年11月17日~12月7日の21日間、「さくらサイエンスプログラム」の支援により、タイ・チュラーロンコーン大学およびシーナカリンウィロート大学から教員1名、大学院生5名が東京理科大学理工学部先端化学科湯浅・近藤研究室に滞在し、共同研究を実施しました。

本プログラムでは、光触媒および導電性ダイヤモンドなどの機能性材料に関する共同研究活動を実施することを目的としています。光触媒は我が国発の科学技術のひとつであり、またダイヤモンド関連の研究についても我が国の国際的地位は高いため、本交流を通してこれらの機能性材料研究をはじめとする最先端研究に触れることにより、日本での活動に対する意欲が高まり、日泰間の科学技術交流を担う人材となってもらうことも目的としています。

イチョウ並木で記念撮影

来校初日に、招へい者らと湯浅・近藤研究室のメンバーとの間で研究内容紹介を含めたお互いの自己紹介を行い、その後に歓迎会を実施しました。歓迎会では、タイの方たちがお土産として持ってきてくれたタイのお菓子やドライフルーツを一緒にいただきました。それをきっかけに学生同士で話題が盛り上がり、大いに懇親を深めることができました。

翌日からは金属ナノ粒子修飾ダイヤモンド電極を用いた水溶液中有機物の電気化学分析に関するテーマを中心に共同研究を開始しました。今回の招へいは3年目となるため、1年目から継続していた共同研究をベースとしています。招へい者側も当研究室の研究設備や研究のバックグラウンドをよく理解しており、受け入れ側の学生もこれまでの経験を活かすことができ、順調に共同実験を実施することができました。

プログラム期間中の11月25日には、日本科学未来館をはじめ都内を視察し、日本の技術や文化に触れる体験をしました。

日本科学未来館を見学しました

また、11月29日、30日には、本学葛飾キャンパスにて開催された第3回光触媒国際シンポジウム(Photocatalysis 3)に参加し、Prof. Weena Siangprohが招待講演を行いました。また、招へい者の大学院生も全員ポスター発表を行い、その中でNarathorn NisabさんがPoster Awardを受賞しました。

Photocatalysis 3では全員が発表を行いました
Narathorn Nisabさん(中央)がPhotocatalysis 3にてPoster Awardを受賞しました

帰国前に、研究室メンバーとともに共同研究の成果報告会を行いました。招へい者側の大学院生が実施した2件の共同実験テーマに関して、それぞれ得られた新規データを発表してもらいました。研究室学生から多くの質問が積極的になされ、活発な議論を行うことができました。

共同研究成果報告会の様子

本プログラムで招へいした大学院生はみな優秀で、共同実験に対して積極的に取り組む姿が印象的でした。本学の学生にとってもよい経験となりました。このような素晴らしい機会を与えていただきました「さくらサイエンスプログラム」には深く感謝いたします。